ULギヤを多数揃えるアウトドアメーカー「MSR」。ハイカーやバックパッカーからの高い支持を受け、いくつものULテントを世に出していますが、中でも軽量且つ快適な空間が得られるとソロキャンパーに人気のテントが「Hubba Hubba(ハバハバ)」です。
この記事ではOUTDOOR STYLES.でも愛用している「MSR ハバハバ NX」について詳しく紹介します。
MSRとは
MSRはアメリカのシアトルで生まれたメーカーで、正式にはマウンテンセイフティーリサーチと言う名の会社です。バックカントリーの安全性を高めることを目的とし、創業者ラリー・ペンバシーにより設立されました。ラリー・ペンバシーは創業者であると同時に、開発者でもあり登山家でもあります。自身の経験や知識を元に開発されるギヤは創業時から高い評価を得、そして今に至ります。
MSRの作り出すギヤは過酷な山岳地帯での使用を念頭に作られているため、耐風性や高剛性に加え設営のし易さにも秀でています。また、登山時の負荷を減らすための軽量化にも強いこだわりを持っています。
MSRのテントは全てこれらの特徴を持ったものばかりですが、その中でソロキャンパーに特に人気が高いテントがハバハバです。
ハバハバ NXの仕様と魅力
(画像出典:MSR)
ハバハバは、MSRの3シーズン(春夏秋)用ULテントの中で、コストと性能のバランスが丁度良いHubbba(ハバ)NXシリーズの 2人用サイズに位置するテントです。
総重量 定価(税抜) 全高 |
1人用サイズ | 2人用サイズ | 3人用サイズ | 4人用サイズ |
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エリクサー1 2,160g ¥28,000 1.01m |
エリクサー2 2,770g ¥36,000 1.02m |
エリクサー3 3,190g ¥44,000 1.04m |
エリクサー4 4,260g ¥58,000 1.21m |
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ハバ NX 1,290g ¥52,000 0.91m |
ハバハバ NX 1,720g ¥59,000 1.00m |
マザハバ NX 2,260g ¥74,000 1.12m |
パパハバ NX 2,960g ¥89,000 1.12m |
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フリーライト1 1,090g ¥55,000 0.91m |
フリーライト2 1,360g ¥65,000 0.91m |
フリーライト3 1,560g ¥74,000 1.00m |
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カーボン リフレックス1 790g ¥59,000 0.91m |
カーボン リフレックス2 990g ¥74,000 0.91m |
カーボン リフレックス3 1,190g ¥89,000 1.14m |
(画像出典:MSR)
入門シリーズであるエリクサーに比べ、ハバシリーズ以降は価格がそれなりに上がりますが、その理由は素材の違いが大きく影響しています。ひとつはフライの生地です。エリクサーはポリエステルリップストップという引き裂き強度に優れたポリエステル生地(十分優秀な生地です。)を採用しているのに対し、ハバ以降は更に高性能で軽量且つ丈夫なシルナイロンが用いられています。またハバシリーズではポールにDAC社のフェザーライト(通常のアルミポールより軽量で、負荷の高い連結部に補強がされている特徴がある。)が使用され、軽量化と強度UPを図っています。
カーボンリフレックスシリーズは、その名にあるようにポールにカーボンを使用することで剛性とさらなる軽量化が行われています。
上位シリーズ程キャノピーのマイクロメッシュ部が多くなり、その効果で軽量化を実現していることもひとつありますが、主にはポールとフライによる性能強化の影響が重量と価格に大きく反映されています。不確定でもハードなシチュエーションでの野営が想定されるのであれば、ハバシリーズ以降のテントの方がより信頼がおけるでしょう。
次にデザイン性です。軽量化に重きを置いているMSRのULテントにおいて、キャノピー側面のマイクロメッシュ部と生地部の割合がおよそ半分ずつになっているのがハバシリーズです。
(画像出典:MSR)
ハバシリーズは上部のマイクロメッシュ部で通気性を得て、下部の生地でプライバシーを確保するバランスの良いデザインです。キャノピーの外観デザインに加え、このバランスが男女問わず愛用されるもうひとつの理由でしょう。
最後にハバシリーズの中でなぜ2人用のハバハバがソロキャンプに最適なのかということですが、それは室内空間の広さにあります。
1人用サイズであるハバ NXのフロアサイズは2.16m×0.76mです。
(画像出典:MSR)
ハバシリーズはフロアの側面が垂直立ち上げされているため、フロアサイズ目いっぱいまで活用できる特徴はありますが、バックカントリー向けのテントであるためかなりコンパクトです。極力荷物を減らしたい、設営スペースに限りがある場合などではこのサイズを選定することもありますが、平地でのソロキャンプでは狭いという印象を多くの方が感じることでしょう。
そのサイズ的な課題を克服するのが2人用サイズであるハバハバ NXです。
(画像出典:MSR)
フロアサイズは2.13m×1.27mです。室内に多少の荷物も置け、寝返りや着替えも容易に行えるサイズです。
高品質、最適なデザイン性、十分な室内空間を兼ね備えたULテントがMSRのハバハバNXなのです。MSRという信頼性の高いメーカーの品であると同時に、多くの人がこの事実を体感し共有していることが、登山家やバックパッカーだけでなく、多くのソロキャンパーにも愛用されることとなったのです。
ハバハバ NXを設営してみる
それではハバハバ NXを設営しながら細部を見ていきましょう。
ハバハバ NXには専用のフットプリント(グランドシート)が別売りで用意されています。フットプリントはキャノピーのボトムを保護すると共に、ハバハバをシェルターとしても使うことが出来るため、非常に便利なアイテムです。今回はフットプリントを用いての設営です。
まずはハバハバ NXに含まれているものを紹介します。
写真左側からペグ、ポール、フライ、キャノピー、そしてスタッフバッグです。スタッフバッグは大きな取り出し口を紐で縛ることができ、更にベルト2本で全体を絞り上げることで収納サイズの無駄を落とすことが出来ます。
フットプリントを使用した設営では、はじめにフットプリントとポールでフレームを作ります。
風のある日はフットプリントをペグダウンしておきましょう。
ポールはフットプリントの4角に設けられたグロメット金具に差し込みます。
フレームにフライを張ります。フライを被せ、4角のグロメット金具にポールを差し込みます。先にフライ天井部に渡しポールを接続しておくと向きや位置が整え易くなります。
2か所の前室を作り出すために、前室の頂点をペグダウンします。
通気のためのベンチレータが両サイドに備えられています。
フライにはガイコードが4か所取り付けられているため、全てペグダウンすれば高い耐風性が得られます。
前室には両側とも出入口が設けられています。出入口は共に全開放することもでき、両側を開くとかなり開放的になります。
テント泊をする場合は、この中にキャノピーを張っていきます。
キャノピーをフットプリント上に敷き、4角のグロメット金具にポールを差し込みます。
キャノピーをポールに引っ掛けていきます。
天井部のグロメット金具2か所を渡しポールに差し込みます。
テンションを整えれば設営完了です。
因みにフライを外すとこんな感じです。
慣れると設営も撤収も10分掛からずに行えます。シンプルで無駄のない構造と、最小限のペグで耐風性を得ることが出来るデザインが、設営時の負担を大幅に削減してくれます。
ハバハバ NXはバックカントリーでも使用されるほど高性能なテントです。強度や耐風雨性、そして設営撤収のし易さに加え、軽量且つコンパクトでもあります。更に快適な室内環境も備えるハバハバ NXがソロキャンパーに認められるのは、もはや必然なのでしょう。
使用したアイテムの紹介
MSR ハバハバ NXは様々なシチュエーションに対応する万能テントです。ゆるいキャンプにもハードなキャンプにも対応するテントなので、これからソロキャンプをはじめる方には是非おすすめするアイテムです。