快適な睡眠を創り出すシュラフの選び方とおすすめ11選

Outdoor Gears

アウトドアギアの中で最も注力して選ぶべきアイテムのひとつが、シュラフ(寝袋)ではないでしょうか。
如何に疲労を貯めずに目的地へ辿り着けるか、如何に疲れを癒して次の日を迎えられるか、アウトドアにおいてシュラフの役割はとても重要です。

この記事ではビギナーからベテランまで納得のいくシュラフが選べるよう、シュラフの基礎とおすすめを紹介します。

シュラフ/寝袋を選ぶ時のポイント

シュラフとはキャンプやアウトドア、そして災害時などに利用する寝具です。
保温性のある生地が全身を包み込むことで体温を逃がさず熱を保ちます。
特に晩秋から初春の間は夜の冷え込みが厳しいため、保温性の高いシュラフが必須です。

しかし保温性さえ高ければ良いという事でもなく、季節やシチュエーションに合うシュラフを選ぶことが重要です。

柔らかさや価格、色などを選定理由にすることは間違いではありませんが、もう少しシュラフの機能に踏み込み、あなたのキャンプスタイルに適したシュラフを選んでみましょう。

シュラフを選ぶときのポイント

シュラフを選ぶ時は次の5つのポイントをしっかり確認しましょう。

  • シュラフの形
  • 中綿の種類
  • 下限温度(リミット温度)
  • 収納サイズ
  • 重量
シュラフの形

シュラフの形には、大きく分けると「封筒型(レクタングル型)」と「マミー型」の2種類あります。

封筒型

マミー型

封筒型は布団を重ね合わせたような長方形のシュラフです。
一方マミー型はその名の通りミイラのような形のシュラフです。
最近は人型のタイプも出現していますが、このタイプも一般的にはマミー型に分類されます。

封筒型とマミー型の大きな違いは、保温性と収納性です。

包まった時にシュラフと人との間に隙間ができやすい封筒型は、春夏秋の比較的温暖な時期に適しています。
外気との換気調整が行える上、暑い夏には全開にすることで掛布団としても使用できます。
一方マミー型は顔周りの隙間もしっかり防ぎ、且つ体とシュラフを密着させることで高い保温性を備え、秋冬春の寒い時期にも対応します。

同じ保温性能で比べるとマミー型の方が体積が小さくなるため、一般的に収納性ではマミー型の方がコンパクト且つ軽量になります。

封筒型の特徴
  • 外気との換気調節が行い易く暖かい季節の使用に適しています。
  • 圧迫感が少なく、更にシュラフを開くことで掛布団としても使用できます。
マミー型の特徴
  • 顔周りの解放部が少なく冷気の混入が少ないため、寒い地域、季節の使用に適しています。
  • シュラフ内で動いてもシュラフがずれ難く、体温を逃がしません。

シュラフを選ぶ時はまず使用する季節や地域、つまりは気候に合わせてシュラフの形を決めることが第一歩になります。

中綿の種類

中綿には一般的に「ダウン」と「化繊(化学繊維綿)」の2種類が使用されます。
一般的な布団やジャケットの仕様と同じように、ダウンの方が保温性に優れ軽量且つコンパクトに収納出来ます。
そのためバックパックでの移動が想定される場合は積載を抑えるためにダウンが選ばれますが、洗濯、乾燥といったメンテナンスに手間が掛かるのもダウンです。

選択の決め手はやはり使用環境になります。

睡眠中はコップ1杯分の水分が発散されると言われますが、夏場のテント泊の場合はそれ以上になります。
特に寒冷地での使用が想定されない場合は、メンテナンスを重視し化繊を選択されることをおすすめします。
化繊はもっぱらダウンに比べて価格が安い事も特徴です。

ダウンの特徴
  • 保温性に優れ、軽量且つコンパクトに収納出来ます。
  • 洗濯、乾燥といったメンテンナンスに手間が掛かります。
化繊の特徴
  • (ダウンに比べ)保温性は劣りますが、メンテナンス性は良好です。
  • (ダウンに比べ)安価です。
下限温度(リミット温度)

下限温度とは「一般的な代謝の人が、寝袋の中で丸まった状態で、寒さを感じることなく睡眠が出来る温度」を言います。
メーカーにより規格が異なる場合がありますが、おおよそ下限温度やリミット温度という表記がされます。

下限温度とは別に「快適温度(コンフォート温度)」や「極限温度(エクストリーム温度)」というものもありますが、これらは下限温度と異なりますので間違えないようにしましょう。

  • 快適温度:代謝が低い人が、リラックスした姿勢で、寒さを感じることなく睡眠が出来る温度
  • 極限温度:代謝が低い人が、寝袋の中で丸まった状態で、寒さに震えながら6時間持ちこたえられるとされる温度

下限温度は中綿の種類と量、そしてシュラフの造りにより決まります。
使用する季節、場所などの環境温度が下限温度より下回らないものを選びましょう。

収納サイズ、重量

アウトドアにおいて収納サイズと重量は重要なファクターです。
必要性の説明は不要と思いますが、選定時は忘れずに確認してください。

厳選 シュラフの紹介

それではおすすめのシュラフを紹介します。

メジャーなシュラフにはいくつか下限温度に合わせたラインナップが揃えられています。
各スペック表に記載の下限温度は紹介のシュラフが適応する下限温度のラインナップとなりますので、気になるシュラフを見つけた際は同モデルから使用シーンに適した下限温度のシュラフを選んでみてください。

まずは封筒型から紹介し、続いてマミー型の順に紹介していきましょう。

封筒型シュラフ

Coleman / コールマン


パフォーマーⅢ/C5

コールマンのパフォーマーは暖かい季節に対応したベーシックな封筒型シュラフです。
サイドジッパーを全開することで掛布団としても使用できます。
手軽に洗濯できる化繊とお手頃な価格は、レジャーキャンプにおすすめです。

6,380

シュラフの形 封筒型
中綿の種類 ポリエステル(化繊)
快適温度 5℃
収納サイズ φ24×41
重量 約1,400g

(画像出典:Coleman)

Coleman / コールマン


マルチレイヤースリーピングバッグ

マルチレイヤースリーピングバッグは3枚でひと組のシュラフです。
1枚で使用したり3枚を組み合わせて使用することが出来るため幅広い温度帯に対応します。
大きなサイズで重量もありますが、その分ゆったりと、まるで布団のような寝心地を作り出します。

15,950

シュラフの形 封筒型
中綿の種類 ポリエステル(化繊)
下限温度 不明(快適温度:12~-5℃)
収納サイズ 46×26cm
重量 約4,900g

(画像出典:Amazon)

ogawa / 小川


ダウンシュラフ800

首元からの冷気の侵入を防ぐドローコード付きの封筒型ダウンシュラフ。
保温性に優れ、且つ封筒型の特徴でもある足元のゆったりとした空間が快適な寝心地を作り出します。
生地には高密度ナイロンが使用され、強度と共に撥水性と透湿性に優れます。
秋口から春先までの3シーズンに適したシュラフです。

39,600

シュラフの形 封筒型
中綿の種類 ダックダウン90-10% (750FP)
下限温度 -4℃
収納サイズ Φ22×45cm
重量 約1,290g

(画像出典:ogawa)

マミー型シュラフ

Coleman / コールマン


コルネットストレッチⅡ

日本の気候と好みを汲み取ったコールマンのコルネットストレッチは、抜群のストレッチ性で機動性に富んだマミー型シュラフです。
手足を出して着たまま動ける構造が、防寒具としても野営を楽しくしてくれます。
コスパが良く、収納性や携行性を追求する必要のないレジャーキャンプにおすすめです。

15,800

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 ポリエステル(化繊)
下限温度 -5℃
収納サイズ φ45×25
重量 約1,600g

(画像出典:Coleman)

mont-bell / モンベル


シームレス アルパイン バロウバッグ

表地に縫い目の出ないシームレス構造を実現した、化繊綿のスリーピングバッグ。
夏の高山から冬の低山キャンプまで一年を通して使えるトータルバランスに優れたモデルです。
保温性と速乾性に優れメンテナンスも容易です。
スパイラルストレッチシステム採用で軽量且つ伸縮率120%を実現。
圧迫感が苦手な方でも快適です。

12,100~

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 エクセロフト(化繊)
使用可能温度 9~-14℃

(画像出典:mont-bell)

ISUKA / イスカ


アルファライト

ALPHA LIGHT

高機能の化繊わたを瓦ぶき構造で仕上げたコンパクトな化繊モデル。
独自の3Dシルエット構造で足元までゆったりと収まります。
狭すぎず広すぎない適度な余裕が圧迫感のない快適なフィット感をつくり出し、無駄なく保温します。
化繊シュラフでありながら、軽量且つコンパクトな収納サイズが魅力です。

16,500~

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 Micro Lite(化繊)
下限温度 6~-20℃

(画像出典:ISUKA)

ISUKA / イスカ


ダウンプラス

DOWN PLUS

720FPダックダウンを合わせたコストパフォーマンスに優れるモデル。
サイドのセパレートボックス構造によりダウンの偏りを防ぎます。
また、首、肩回りにウォーマー構造を備え、温かい空気を逃がしません。
3シーズンモデルから冬季モデルまで幅広いラインナップです。

20,900~

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 ダックダウン90/10%(750FP)
下限温度 6~-30℃

(画像出典:ISUKA)

ISUKA / イスカ


エアドライト

AIR DRYGHT

濡れに対する弱点を克服した、撥水ダックダウンのベーシックモデル。
こだわりの3D構造で暖かい空気が体を立体的に包み込みます。
3シーズンモデルから冬季モデルまで幅広いラインナップです。

26,400~

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 ダックダウン90/10%(750FP)
下限温度 8~-25℃

(画像出典:ISUKA)

mont-bell / モンベル


シームレス ダウンハガー800

高品質な800FP EXダウンと、超軽量シェル素材を組み合わせた軽量スリーピングバッグ。
独自の「スパイダーバッフルシステム」を搭載し、コールドスポットの発生を抑えながら高い気密性を実現します。
高い断熱性とストレッチ性を兼ねた、最上級の寝心地を提供します。
ハーフモデル、900FPダウンのモデルも用意されています。

26,950~

シュラフの形 マミー型
中綿の種類 EXダウン(800FP)
使用可能温度 7~-20℃

(画像出典:mont-bell)

snow peak / スノーピーク


バクー

BACOO

悪夢を食べるバクから名づけられたスノーピークのバクーは、ダックダウンを中綿とした暖かふわふわ系のハイテクシュラフです。
生地に防水透湿ハイブリッド素材を使用しているため、冬場の結露にも強い特徴があります。
コンパクトなモデルなので収納スペースも抑えられます。
疲れてるのに眠れない、そんな悪夢はもう見ることはないでしょう。

44,000~

350 550
シュラフの形 マミー型
中綿の種類 ダックダウン90-10%(800FP)
下限温度 1℃ -7℃
収納サイズ φ16×25cm φ21×34cm
重量 約830g 約1,120g

(画像出典:snow peak)

NANGA / ナンガ


オーロラライト

AURORA light

羽毛と縫製技術に自信を持つジャパンブランド「ナンガ」のシュラフは、ダウンの特徴である保温性と軽量コンパクトを最大限に引き出しています。
その中でも日本の季節に適し、登山家に優しい軽量コンパクト性を極めたのがAURORA lightシリーズです。
体へのフィット調整機能や冷気の侵入防止など、細かな技術がちりばめられているのも特徴。
メーカーによる永久無料修理保障があるのは品質への絶対的な自信の表われです。

38,500~

350 450 600 750 900
シュラフの形 マミー型
中綿の種類 DX:スペイン産ダックダウン90-10% (760FP)
SPDX:ポーランド産グースダウン93-7% (860FP)
下限温度 DX:0℃
SPDX:-6℃
DX:-5℃
SPDX:-13℃
DX:-11℃
SPDX:-18℃
DX:-16℃
SPDX:-22℃
DX:-19℃
SPDX:-27℃
収納サイズ φ13×25cm φ14×30cm φ17×31cm φ19×31cm φ21×41cm
重量 約730g 約865g 約1,100g 約1,280g 約1,400g

(画像出典:NANGA)

シュラフはアウトドアの質を上げる重要なアイテムです。
外観からは分かり難い部分に使い勝手や性能に対する工夫が施されています。
特にハードなシーンでの使用を想定している場合には細部までよく確認し、納得のいくシュラフに出合ってください。

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