燃焼系のギアはキャンプに雰囲気と趣を与えてくれる欠かせないものです。
静かに燃えるアルコール機器から激しく燃焼するガソリン機器など、燃料や機器の構造により個性も豊かです。
中でもホワイトガソリンを燃料とするバーナーは、安定した火力とガレージ感のバランスが良く、初めて手にする燃焼系ギアとしておすすめです。
今回はホワイトガソリンを燃料とするおすすめのシングルバーナーと、ガソリンバーナーの使い方を紹介しましょう。
ホワイトガソリン機器の特徴
ホワイトガソリンを燃料とする燃焼系ギアには、今回紹介するガソリンバーナーやガソリンランタンなどがありますが、いずれもクリーンな燃焼系を持つためメンテナンス頻度が少なくて済み、更にガソリン系の力強い出力を特徴とします。
より扱い易い燃焼系機器としてガス機器がありますが、火力ではホワイトガソリンに軍配が上がり、特に冬場の寒冷地でも安定した出力を維持できるのはガソリン機器の特徴です。
ガソリンバーナーの扱い方
ガソリンバーナーの特徴としては、安定した高い火力の維持があげられます。
低温下やドロップダウンによる出力低下のあるガス機器に対して、どんな条件でも確実に火を保てるのはガソリンバーナーの強みです。
しかしガスバーナーと比較した場合には取扱いに知識が必要で、またポンピングやプレヒートと言った使用するための一手間が発生します。
ポンピングとは
ポンピングとは、空気入れで自転車のタイヤを膨らませるように、燃料の入ったタンクに空気を入れ、加圧する作業です。
多くのガソリン機器では、このポンピング圧により燃料がタンクから燃焼部へと送られる構造になります。
また、燃料が少なくなってきたり、気温が下がってくるとタンクの内圧が落ちてきますが、再度ポンピングをすることでタンク内を加圧し直すことが出来るため、ガソリン機器では燃料が切れるまで高い出力を維持することが可能です。
但しガソリン機器全てが同じ構造ではなく、バーナーによってはポンピング構造がない機器もありますのでご注意ください。
プレヒートとは
プレヒートとは、ホワイトガソリンを気化させるための熱量を準備するための予熱作業です。
ホワイトガソリンを完全燃焼させるためには、液体の状態ではなく、気化したホワイトガソリンを燃焼部に届ける必要があります。
液体のホワイトガソリンを気化させるためには十分な熱量が必要で、燃焼している状態では燃焼熱を利用して液状のホワイトガソリンを気化させていますが、着火前の時点では燃焼熱を得ることが出来ないため、プレヒートと呼ばれる予熱作業を行い熱量を確保します。
具体的には、燃料が通る道(管)を外から炎であぶることで予熱します。
バーナー自体を一度燃やすことになるため、一見すると事故にも見えますが、ガソリンバーナーにおいてプレヒートはとても重要な作業です。
ポンピング、プレヒートについて簡単に紹介しましたが、より詳しく確認したい方はこちらの記事をチェックしてください。
プレヒートレスバーナーとは
一般的にホワイトガソリン機器にはプレヒートが必要ですが、中にはプレヒートを必要としないプレヒートレスなバーナーもあります。
プレヒートレスバーナーは、ホワイトガソリンを気化するために一旦霧状に噴霧する構造を持ちます。
噴霧させることで気化に必要な熱量を最小限にし、着火から数秒で完全燃焼に移ることが出来るため、予熱作業なく使用することが可能です。
プレヒートレスバーナーは、プレヒートに掛かる数分の待ち時間が不要であることと、本体自体を外部から熱する必要がないため外観にススや焼き汚れが付かないなどのメリットがあります。
但し、噴霧させるために多くの圧力を使用するため、一般的なガソリンバーナーに比べポンピング量が多く必要になるという副作用もあります。
プレヒートがないだけでガソリンバーナーの使い勝手は格段に上がります。
どのくらい簡単に着火出来るかはこちらの記事をチェックしてください。
マルチフューエルバーナーとは
もうひとつ、ホワイトガソリンを燃料とするバーナーには、他の燃料も使用出来るバーナーがあります。
これらはマルチフューエルバーナーと呼ばれ、ホワイトガソリンを切らした場合や、季節や場所に合わせて燃料を変えたい場合などに便利です。
マルチフューエルバーナーには燃料の変更に合わせて部品を交換しなければならないバーナーと、部品交換なく燃料を変えるだけで使えるものがあるため、これらを選ぶ場合にはよく確認しましょう。
ホワイトガソリンバーナーの紹介
それではホワイトガソリンを燃料として使用出来るシングルバーナーを紹介しましょう。
ガソリンバーナーには、燃焼部本体と燃料タンクが一体となっているものと分離しているものがあります。
まずは一体型のバーナーから特徴と合わせて紹介していきます。
一体型バーナー
一体型バーナーは燃焼部の下に燃料タンクが取り付いたバーナーです。
重心が低いため安定性が良く、使用時にスペースを取らない特徴があります。
Optimus / オプティマス
スベア123R
SVEA 123R
火力 | 1,300kcal/h (1,400W) |
燃焼時間 | ~2h/120ml |
収納サイズ | Φ100×130mm |
重量 | 約550g |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン |
Coleman / コールマン
スポーツスターⅡ
火力 | 2,125kcal/h |
燃焼時間 | 1.5~3h |
燃料タンク容量 | 520cc |
サイズ | Φ140×140mm |
重量 | 約960g |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン |
分離型バーナー
分離型バーナーは燃焼部本体と燃料タンク(ボトル)が分離できるバーナーです。
本体とボトルは専用のホースで連結され、使用時には両方を設置できる広いスペースが必要になりますが、運搬時にはそれぞれを分離してコンパクトに収納できるため、トレッキングなどバックパックひとつに収納する場合などに適しています。
MSR / エムエスアール
ウィスパーライト
WhisperLite
火力 | 2,772kcal/h |
サイズ | Φ170×H90mm |
ゴトクサイズ | Φ170mm |
収納サイズ | W160×D90×H90mm |
重量 | 約334g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン |
MSR / エムエスアール
ウィスパーライトインターナショナル
WhisperLite International
火力 | 2,772kcal/h |
サイズ | Φ190×H90mm |
ゴトクサイズ | Φ190mm |
収納サイズ | W150×D90×H90mm |
重量 | 約316g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油 |
MSR / エムエスアール
エックスジーケー エクスペディション
XGK EX
火力 | 2,646kcal/h |
サイズ | Φ200×H90mm |
ゴトクサイズ | Φ200mm |
収納サイズ | W170×D100×H90mm |
重量 | 約392g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油、軽油(ディーゼル)、ジェット燃料 |
MSR / エムエスアール
ドラゴンフライ
DragonFly
火力 | 2,192kcal/h |
サイズ | Φ190×H100mm |
ゴトクサイズ | Φ190mm |
収納サイズ | W180×D120×H90mm |
重量 | 約412g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油、軽油(ディーゼル)、ジェット燃料 |
Optimus / オプティマス
ノヴァ
NOVA
火力 | 2,850W |
収納サイズ | 140×80mm |
重量 | 約460g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | ホワイトガソリン、灯油、ディーゼル油、ジェット燃料、その他 |
SOTO / ソト
ムカ ストーブ
MUKA STOVE
火力 | 4,000kcal/h (4.7kW) |
サイズ | W135×D135×H80mm |
収納サイズ | W80×D65×H80mm |
重量 | 約333g(本体、ポンプ) |
使用可能燃料 | 自動車用レギュラーガソリン、ホワイトガソリン |
SOTO / ソト
ストームブレイカー
StormBreaker
火力 | 3,000kcal/h (3.5kW) |
サイズ | W150×D130×H90mm |
ゴトクサイズ | Φ170mm |
収納サイズ | W65×D65×H90mm |
重量 | 約448g(本体、ポンプ、ガスバルブ) |
使用可能燃料 | ガス、自動車用レギュラーガソリン、ホワイトガソリン |
手軽に扱えるガスバーナーに比べ、ホワイトガソリンバーナーは使用においてもメンテナンスにおいても一手間掛かる印象は拭えません。
しかしその作業こそが趣であり愛着へと繋がります。
独特な燃焼音と強い炎を、是非味わってみてください。