固形燃料FDに最適な受皿で構成する、僅か152gのクッカーセット

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登山やハイクでの荷物の軽量化には様々な恩恵があります。
しかし、自身の限界を超えての軽量化には危険も伴います。

どこを軽量化するのか。どこに安全マージンを置くのか。
軽さとリスクを捉えながらのUL化は、検討する時間さえも喜びです。

クッカーシステムの検討もその喜びのひとつで、特に燃料に何を選択するかで構成も様々です。

今回は固形燃料「FireDragon」をベースとしたクッカーシステムを構築するにあたり、おすすめの受け皿と、僅か152gのウルトラライトな組み合わせ例を紹介しましょう。

FireDragon / ファイヤードラゴンとは

FireDragonは固形燃料のひとつです。
メタノールなどの毒性のある物質を含んでおらず、且つ環境にやさしいバイオ燃料「バイオエタノール」を原料とする無毒でクリーンな燃料です。

詳しくはこちら
『FireDragon』バイオエタノールで作られた無害な固形燃料
軽量コンパクトで熱量コントロールし易い固形燃料。煮炊きにおいても極小のギアで使用できるためUL系燃料の筆頭です。然しながら多くの固形燃料は臭いや毒性により携行性や取り扱いに難があります。今回はメタノールなどの毒性を気にする必要のない次世代の固形燃料を紹介しましょう。

無毒であるため、クッカーの中にカトラリーや食料と一緒に収納しても問題ない事が魅力です。

(画像出典:firedragonfuel.com)

FireDragonは27g毎に密閉個装されています。
メーカー説明には無臭とありますが、実際にはバイオエタノール独特の臭いがあるため、持ち運び時には個装された状態が良いでしょう。

着火すると力強い火力と共に全体が液化するため、使用時はこぼれないような深さのある耐熱性の受け皿に入れて使用します。

今回はこの受け皿として最適なアイテムの紹介ですが、FireDragonの製造元であるBCB社からも2種類の専用受け皿(ストーブ)が用意されているため、まずはこれらを紹介しておきましょう。

フォールディング クッカー

Folding Cooker

 ■ サイズ:11.5×7×2.6cm
 ■ 材質:アルミ
 ■ 重量:約115g

(画像出典:firedragonfuel.com)


ミニ クッカー

Mini Cooker

 ■ サイズ:7×5×4cm
 ■ 材質:アルミ
 ■ 重量:約40g

(画像出典:firedragonfuel.com)

フォールディングクッカーはハードな環境でも破損リスクが少ない堅牢な造りが特徴で、ミニクッカーはコンパクトで軽量という特徴を持ちます。
共にストーブの上にクッカーなどが置けるようになっており、受け皿としてだけでなくコンロとして湯沸かしや調理をすることが可能です。

いずれも専用設計がされ使い易さは申し分ありませんが、ULに拘るとひとつだけ気になるところがあります。

それは27gの燃料を使い切るシステムであるということです。

FireDragonのULな使い方

ウルトラライトな思考で燃料を語ると、そこには湯沸かしに必要な燃料がどのくらいかという事が重要視されます。
一般的にインスタントコーヒーでは150ml、アルファ化米やインスタント食品では110~180ml、カップヌードルだと320ml程度のお湯を沸かします。

FireDragonを用いて湯沸かしをする場合、概ね1/3の量(9g)で200ml、1/2の量(13g)で320mlの湯を沸かすことが出来ます。
(クッカーの種類や火種との距離、外気温など環境条件により変化します。)

つまり、FireDragonは一度に全て燃焼させるのではなく、必要な分だけ取り分けて使用する方が携行する量やパッキング負荷を減らすことが出来ます。

然しながらFireDragonは封を切ると揮発が始まるため、取り置きした分もそのまま放置しておくと使えなくなります。
翌朝の調理で使用するなど、時間をおいて使いたい場合には一旦密閉容器などに移して保管する必要があります。

密閉方法としてはラップなどで包むという方法もありますが、ウルトラライトな思考で考えると密閉保管が可能な受け皿で兼用できれば総重量の軽量化につながります。

FireDragonに最適な保管機能付き受け皿

  • 燃焼時に液化するFireDragonには、深さのある受け皿が必要です。
  • 封を切ったFireDragonを保管するためには、密閉できる容器が必要です。

このふたつの機能を備えた都合の良い容器が、今回紹介するおすすめのアイテムです。

nobland


アルミケース30ml

 ■ サイズ:φ52×20mm
 ■ 材質:アルミ
 ■ 重量:7.5g(実測値)

(画像出典:Amazon)

本来の用途はクリームなどを携帯するためのケースです。
30mlサイズは大きさと容量のバランスが良く、燃焼時の熱に耐えられ、何よりケース自体が軽量であることが魅力です。

使用時は蓋を土台として重ねることで、燃焼熱が地面へ直に伝わるのを防ぐことが出来ます。

蓋に取り付けられているPE製のパッキンは、取り外しても密閉性は十分保たれます。
(パッキンなしで一週間保管した燃料への着火テストはクリアしています。)

燃焼用コンロと保管用密閉容器を僅か7.5gで兼ねることが出来る優秀なULギアです。

ULクッキングシステム

折角なので、アルミケースとFireDragonの組み合わせをベースとした「ULなクッカーシステム」の例を紹介しましょう。
最軽量とまでは言い切れませんが、軽くてコンパクトなクッカーシステムとして参考になればと思います。

ミニマムシステム 152g

軽食対応の日帰り向けコーディネート。
コーヒーやアルファ化米、レトルト用の湯沸かしに長けたULクッカーシステムです。

 snow peak
1.チタンシングルマグ 300 / 50g

 Gaobabu
2.チタンマグカバー / 12g(実測11g)

 MUNIEQ
3.X-MESH STOVE(Lサイズ)/ 17g(実測14g)

 handmade
4.グリッド×2/ 1g

 nobland
5.アルミケース×2 / 15g

 BCB International
6.FireDragon / 29g(内容量は27g)

 nobland
7.イグナイター / 13g

 UNIFLAME
8.カラカト スプーン / 13g

 nobland
9.革紐 / 1g


計:152g(実測148g)

スプーン以外はシングルマグ300に全て納まるコンパクトさが魅力です。
スプーンを必要としないコーヒー専用のセッティングなどでは、コーヒースティック含めて全てマグ内に収納でき、スマートです。

コンフォートシステム 304g

宿泊が伴うような場合には、調理用のクッカーと予備燃料を加えたシステムにグレードアップし使用します。
クッカーが追加されることでスープやパスタなどの調理が行えるのと、料理にはクッカー、飲み物にはマグというように使い分けることが出来ます。

 snow peak
1.ミニマムシステム(革紐なし) / 151g

 BCB International
2.FireDragon×2 / 58g

 EVERNEW
3.Ti Mug pot 500 / 75g

 UNIFLAME
4.カラカト フォーク / 13g

 EVERNEW
5.収納袋 / 7g


計:304g

Ti Mug pot 500の中央にシングルマグ300が丁度納まるフィット感も魅力です。
(チタンマグカバーを装着した状態でも収納可能です。)

Ti Mug pot 500のカバーがシングルマグ300にも使用出来るため、より軽量化するのであればチタンマグカバーは持って行かないという選択も出来ますが、風の強い場所や土埃が発つ場所ではそれぞれにカバーがあった方が便利なこともあるので、シチュエーションに合わせて適宜選択することとなります。

まとめ

クリーンでグリーンなエコ燃料「FireDragon」は、ULギアとの組み合わせで真価を発揮します。
軽量さとコンパクトさは行動範囲を広げ、耐環境性の高さは過酷な環境でも安心感を与えてくれます。
更に見た目にも拘ったギアともなれば使う毎に喜びを感じられ、疲れた身体を癒してくれることでしょう。

今回紹介したギアはその一端ではありますが、気になるギアがあれば是非チェックしてみてください。

BCB International


FireDragon

935/6pc

(画像出典:firedragonfuel.com)

nobland


アルミケース

680

(画像出典:Amazon)

snow peak


チタンシングルマグ 300

3,190

(画像出典:Amazon)

Gaobabu


チタンマグカバー

1,067

(画像出典:Amazon)

MUNIEQ


X-MESH STOVE

3,520

(画像出典:MUNIEQ)

nobland


イグナイター

720

(画像出典:Amazon)

EVERNEW


Ti Mug pot 500

5,280

(画像出典:EVERNEW)

UNIFLAME


カラカト スプーン

770

(画像出典:Amazon)

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