ソロキャンプに人気のアルコールストーブは、コンパクトで軽量、そしてワイルドな燃焼ギアとして多くの支持を得ています。
また非常にシンプルな構造で、動作不良が起き難く、寒冷地でも安定した火力が得られるためハイクやテント泊登山の調理器具としても信頼できるギアです。
今回は定番と言われるアルコールストーブだけでなく、構造の異なるストーブもピックアップして紹介しましょう。
アルコールストーブとは
アルコールストーブはアルストとも呼ばれ、アルコールを燃料として燃焼する調理器具です。
手の平に収まるコンパクトなサイズで、アルコールを注入し着火するだけで使用することが出来ます。
(画像出典:Amazon)
アルコールストーブには様々な種類があり、上の写真のようなオーソドックスなタイプの他、サイドバーナー型や加圧型など部品点数が少ない割には多くの種類があります。
しかし真新しいギアが好まれる昨今の風潮の中でも、オーソドックス型は扱い安く、周辺ギアもたくさん用意されているため、最も馴染み易いストーブと言えるでしょう。
アルストの使い方
燃料注入口が開放しているオーソドックスなアルストでは、燃料となるアルコールを注入し、燃料に火種を近付け着火するだけです。
着火直後はアルコールの揮発が少ないため、小さく不安定な燃焼から始まりますが、数十秒~数分掛けてアルコールが温まると、本燃焼と呼ばれる最大火力での燃焼に移行します。
アルコールが温まるまでの時間は、アルスト自体の構造とともに燃料や外気の温度が影響します。
特に寒冷地での使用においては、プレヒートと呼ばれる余熱作業により本燃焼までをスピーディーに行うことも可能です。
アルストを使用する上で注意すべき事
シンプルな構造と手軽さが魅力のアルストですが、かと言って知識のない方が扱うと大いに惨事を招くギアです。
命の危機に直面しないように、特に注意すべきことを簡潔に紹介しましょう。
1.燃料であるアルコールの取り扱い
アルコールは非常に揮発性の高い可燃性の液体です。
近くに火種があると即座に引火し、予期せぬ事故につながります。
持ち歩く際は密閉性の高い容器に入れるとともに、火種のそばでの開封や注液などの作業は絶対に行わないようにしましょう。
2.アルコールの種類
アルコールにはいくつか種類がありますが、アルストで使用される燃料としてのアルコールには、メタノール(メチルアルコール)とお酒などにも含まれるエタノール(エチルアルコール)の2種類があります。
工業用アルコールと呼ばれるメタノールは、過剰に摂取、吸引するとメタノール中毒を引き起こし、悪心や吐き気、重度の場合は視力障害や意識障害を引き起こします。
食料の近くで使用する燃料ですので、身体への影響の少ないエタノールの使用をお勧めしますが、メタノールを使用する際には取り扱いによく注意してください。
3.燃料過多
アルストには注入できる燃料の最大容量が定められています。
最大容量を超える燃料を注入して燃焼させると、アルストから引火した燃料が飛び出し大変危険です。
容量は必ず守るようにしてください。
厳選 アルコールストーブ
それではおすすめのアルコールストーブの紹介です。
扱い易いオーソドックスなタイプから、種類と魅力の異なるアルストを厳選しました。
trangia / トランギア
TR-B25
アルコールバーナー
真鍮の重量感を活かしたしっかりとした造りと火力の安定感が特徴です。
中蓋にはパッキンが備えられ、燃料を残したまま収納することも可能です。
70mlの燃料でおよそ25分燃焼し、火力調整蓋による火力や燃費の調整も行えます。
サイズ | φ7.5×H4.5cm |
素材 | 真鍮 |
重量 | 約110g |
Esbit / エスビット
ESAB300BR0
アルコールバーナー
サイズ | φ7.4×H4.6cm |
素材 | 真鍮 |
重量 | 約92g |
EVERNEW / エバニュー
EBY254
Ti アルコールストーブ
噴射穴を2段備えた強火力仕様で、沸騰までの時間を短縮することができます。
直接クッカーを乗せることが出来るため、ゴトクがなくても使用が可能です。
中蓋や消化蓋は付属しません。
サイズ | φ7.1×H4.2cm |
素材 | チタニウム |
重量 | 約34g |
VARGO / バーゴ
T-305
トライアドマルチフューエルストーブ
サイズ | φ8.6×H6.5cm |
素材 | チタニウム |
重量 | 約30g |
RiverSideRambler / リバーサイド・ランブラー
アールエスアール ストーブ
RSR STOVE
サイズ | φ5.5×H3.7cm |
素材 | アルミ合金 |
重量 | 約33g |
EVERNEW / エバニュー
ブルーノート ストーブ
BLUENOTEstove set
15mlという燃料に拘り、ハイクなどでの調理を想定したULモデルです。
マグなどを直接バーナーに置くこともでき、また、炎が広範囲に広がるため焦げ付き難い特徴があります。
低温環境にも対応するプレヒート用プレートも用意されています。
BLUENOTEstove | Pre-Heating plate | |
サイズ | φ5.0×H3.2cm | φ6.2×H7cm |
素材 | アルミニウム | |
重量 | 約13g | 約7g |
AntiGravityGear / アンチグラビティギア
カタディンストーブ
Katahdin Stove
加熱範囲が広く、コッヘルや大型のクッカーに適します。
ガスバーナー並みの高火力が得られるため、料理の種類や使用シーンに汎用性があるモデルです。
サイズ | φ7.3×H4.3cm(本体) |
素材 | アルミニウム |
重量 | 約30g(本体)、約7g(プライマーパン) |
アルストはシンプルな構造だからこそ極め易いところも魅力であり、燃料の分量による燃焼時間のコントロールは正にそのひとつです。
非常に扱い易くコンパクトで、それでいて無骨でワイルドな趣も備え、さらに多くの周辺ギアがラインナップしている三拍子が整ったギアでもあります。
是非アルストの魅力に嵌まり、極めてみてください。
(アイキャッチ画像出典:Amazon)