ソロテントを選ぶ基準に収納性と軽さを重視する方は多いと思います。
然しながら悪天候時を考えると前室などの作業スペースが欲しかったり、室内の広さを求める方もいるのではないでしょうか?
そこで今回紹介するテントは前室を備えた軽量テントです。
ソロでもデュオでもバランスよく使える前室のあるULテントで、アウトドアの幅を広げてみましょう。
ULテントとは
ULはウルトラ・ライト(Ultra-Light)の頭文字で、”超軽い”という意です。
ULはハイクなどで好まれるスタイルで、バックパックひとつに全て積み込めるよう荷物を限りなく小さく、軽く切り詰めるスタイルです。
ULスタイルに適応する”超軽い”ギアを総称してULギアと呼び、中でも重量とスペースを大きく占めるテントには高い水準でULが求められます。
今回紹介するテントはデュオでも使える程の機能性を持ち、そしてバックパックにも積み込めるサイズと軽さを備えたテントになります。
前室のあるデュオサイズのULテント
”前室のあるデュオサイズのULテント”・・・この言葉だけ捉えると、それはもはやULテントではないのでは?と言う疑問も湧いてきますが、全ての機能を削ぎ落すことが最高のULなのかと言うとそうでもありません。
例えば2人での活動を想定する場合、デュオテントを選ぶことで荷物のバランスを効果的に分担出来ることもあります。
更に夜間を共に過ごすことができるため食事などの作業の分担が行えたり、互いの状態が常に確認できるなどのメリットがあります。
前室を備えたテントであれば悪天候時でも活動できる幅が広がったり、汚れたギアやペットなどの収容としても一役買います。
また、天候に左右されずに一定の荷物量で活動できるという面もあるなど機能性をみればメリットがあることは明白ですが、機能性と携行性は反比例にあるためどこかでバランスを見極める必要があります。
アウトドアのスタイルは人やシチュエーションにより様々で、活動のどこに重きを置くかで選択するギヤは変化しますが、デュオテントやソロでも機能性の高いテントをバックパックに積んで持ち運ぶことを考えると、それはUL規格の中で造られていなければ達成することは出来ないでしょう。
厳選 前室付きデュオULテント
それでは前室のあるデュオULテントの紹介です。
ULであり機能性もあるバランスの取れた2人用サイズのテントを厳選しています。
重量は3kg以内を基準に選定していますが、仕様のバランスは様々ですので、各々のスタイルを想定しながらみてください。
ZEROGRAM / ゼログラム
パピヨン エクスペディション
Papillon EXP
剛性の高いクロスフレーム構造を寝室側と前室側の両方に構える独特なフレーム構造が特徴です。
更に前室の拡張が出来るため、より広く快適さを求めることも可能です。
公式ではオールシーズン対応とありますが、パピヨンはシングルウォールテントになるため冬場の使用は特に注意が必要です。
アウターサイズ | W223×D140×H104cm |
ファブリック | 15D NylonPertex®Shield 3layer |
耐水圧 | フライ:10,000mm ボトム:4,000mm |
ポール | DACフェザーライトNSLポール |
重量 | 約1.85kg |
(画像出典:ZEROGRAM)
NEMO / ニーモ
ダガー リッジポーチ 2P
DAGGER RIDGE PORCH 2P
2人分のギアやバイクの収納が可能な前室は、あらゆるシーンで重宝します。
軽量で強靭な素材をベースとしているため、ハイエンドな使用にも耐えることが可能です。
インナーはハーフメッシュを採用しているため、春夏秋の3シーズン用としての活用がおすすめです。
アウターサイズ | W396×D229×H166cm |
インナーサイズ | W127×D229×H106cm |
ファブリック | フライ:40D Sil/Silナイロン インナー:40Dナイロン/メッシュ ボトム:70D PeUナイロン |
収納サイズ | 53×17cm |
重量 | 約2.71kg |
(画像出典:NEMO)
nordisk / ノルディスク
オップランド 2 SI
Oppland 2 SI
フライにはシルナイロンを使用しており、耐久性と撥水性に優れます。
前後に大きなベンチレーターを備えるため、前室で調理が出来るほどの換気性能を持ちます。
換気を抑える際にはベンチレーターに備えられたパネルで完全に閉じることも可能で、夜間の冷気の侵入を防ぐことが出来ます。
インナーは吊り下げタイプのためアウター単独での設置も可能です。
悪天候時にはシェルターとして活用することも出来るでしょう。
アウターサイズ | W430×D165×H110cm |
インナーサイズ | W220×D145×H110cm |
ファブリック | フライ:40Dナイロン リップストップ シリコンコーテイング インナー:40Dナイロン リップストップ シレ ボトム:40Dナイロン PUコーテイング |
耐水圧 | フライ:3,000mm ボトム:10,000mm |
ポール | アルミニウム |
収納サイズ | 15×50cm |
重量 | 約2.9kg |
(画像出典:nordisk)
HILLEBERG / ヒルバーグ
アンヤン2GT
ANJAN 2 GT
下部からの通気性を確実に得るために、フライにはカテナリーパターンが組み込まれています。
前室のリアウォールは完全にロールアップすることができ、アクセス性や開放感のスタイルチェンジが可能です。
ヒルバーグの誇る耐久性や耐風性を備えながら、非常に軽く作られているバックパックテントです。
アウターサイズ | W130×D410×H100cm |
インナーサイズ | W130×D220×H100cm |
ファブリック | Kerlon 1000 |
ポール | アルミポールΦ9 |
重量 | 約2.2kg |
(画像出典:HILLEBERG)
HILLEBERG / ヒルバーグ
カイタム2GT
KAITUM 2 GT
ポールが4本となり、圧迫感も抑えられています。
オールシーズンに適応するブラックレーベルに位置するため、フライは地面までしっかり覆う形状をとっており、更に換気のための大きなベンチレーターが前後に備えられています。
強靭且つ軽量に作られてはいますが、ULテントの中では重量が嵩むモデルとなります。
アウターサイズ | W140×D505×H100cm |
インナーサイズ | W140×D220×H100cm |
ファブリック | Kerlon 1200 |
ポール | アルミポールΦ9 |
重量 | 約3.7kg |
(画像出典:HILLEBERG)
FJALL RAVEN / フェールラーベン
アビスコ シェイプ2
Abisko Shape 2
前後に備わるベンチレーターによりクローズ時でも確実に換気します。
フロントウォールだけでなくバックウォールの完全巻き上げが出来るため、気候に合わせたスタイルチェンジで快適に過ごすことが可能です。
インナーとフライを連結して一度に設営することも可能ですが、それぞれを単独で使用することも出来るため、シーンに合わせたアレンジや活用も楽しめるでしょう。
アウターサイズ | W155×D400×H105cm |
インナーサイズ | W130×D220×H95cm |
ファブリック | フライ:20D TripleRip ナイロン100% インナー:20D TripleRip ナイロン100% ボトム:40D PU ナイロン100% |
ポール | DAC pressfit Pole |
収納サイズ | 16×40cm |
重量 | 約2.32kg |
(画像出典:FJALL RAVEN)
FJALL RAVEN / フェールラーベン
アビスコ エンデュランス2
Abisko Endurance 2
全高が抑えられ耐風性に優れます。
前室の使い勝手と居住スペースの快適性に優れ、それでいて携行性をも考慮された非常にバランスの取れたテントです。
シンプルで典型的だからこそ、非のない、飽きのない、長く使えるテントです。
アウターサイズ | W155×D420×H105cm |
インナーサイズ | W125×D225×H95cm |
ファブリック | フライ:20D TripleRip ナイロン100% インナー:20D TripleRip ナイロン100% ボトム:40D PU ナイロン100% |
ポール | DAC Featherlite NSL Pole |
収納サイズ | 18×39cm |
重量 | 約2.55kg |
(画像出典:FJALL RAVEN)
Big Agnes / ビッグアグネス
ブラックテイル ホテル2
Blacktail Hotel 2
テント本体が剛性を備え自立するため安定感があり、インナーテントのみでの活用も出来る2WAY仕様です。
背面からも出入りが可能なアクセスの良さも特徴です。
収納力と快適性に優れたテントです。
アウターサイズ | W360×D229×H107cm |
インナーサイズ | W229×D132×H107cm |
ファブリック | フライ:polyester PU coating インナー:polyester ボトム:polyester PU coating |
耐水圧 | フライ:1,500mm ボトム:1,500mm |
ポール | Lightweight aluminum |
収納サイズ | 18×53cm |
重量 | 約2.78kg |
(画像出典:Big Agnes)
MSR / エムエスアール
ギアシェッド
GEAR SHED
シェッドには部分的にフロアが設けられているため、汚したくないギアの収納も可能です。
拡張ギアのため、使用予定がないプランでは荷物を減らせるというメリットがあります。
適応テントはハバNX、ハバハバNX、マザハバNX、エリクサー1、2、3、ゾイック1、2、3です。
アウターサイズ | W203×D170×H89cm |
ファブリック | フライ:68D ポリエステルリップストップ ポリウレタン&DWR ボトム:70D タフタナイロン ポリウレタン&DWR |
耐水圧 | フライ:1,500mm ボトム:3,000mm |
ポール | 7000 シリーズアルミ |
収納サイズ | 48×11cm |
重量 | 約0.94kg |
(画像出典:MSR)
限られた荷物の中でどこに快適性を求めるか。居住性と携行性のバランスには自身のスタイルの把握が重要です。
更に全てのテントが万能ではないため、シチュエーションに合わせて適するテントを選ぶことも必要です。
今回紹介した前室を備えるデュオサイズのULテントは使用シーンの幅が広いテントなので、バックパックキャンプへの展開を考えている方には特におすすめです。