テント泊に欠かせないシュラフ。
メーカーも種類も豊富で選びたい放題ですが、冬キャンプを確実に乗り切るならド定番の「NANGA/オーロラライト」がおすすめです。
保温性はもちろん、軽量コンパクトな収納性と防水性を備えたオーロラライトは、どんなキャンプスタイルにもマッチする汎用性の高いシュラフです。
今回はNANGAのシュラフのラインナップと、オーロラライトの特徴を細部まで紹介しましょう。
シュラフ(寝袋)の種類と選び方
シュラフを選ぶ時は、まずシュラフの形と中綿の種類から選びます。
一般用途では、シュラフの形にはマミー型と封筒型(レクタングル型)が、中綿にはダウンと化繊があります。
特殊な用途向けにはフードレス型やキルト型などもありますが、これらは特にULやミニマリスト仕様のため、一般的な冬キャンプの装備としては厳しくなります。
シュラフの形には、見た目だけでなく保温性や圧迫感、収納性などの違いがあります。
(画像出典:Amazon)
マミー型は体の形状にフィットするため、シュラフのすべての部位が保温性能を発揮しますが、封筒型はシュラフの中にスペースがあるため、シュラフ全体が常に最大限の保温性能を発揮しません。
つまり重量に対して保温性能を発揮する実行率がマミー型の方が高いため、中綿の重量が同じであった場合、マミー型の方が保温性能が高くなります。
また、冷気にさらされる部位や侵入経路が多くなるのも封筒型のため、冬のシュラフにはマミー型がおすすめです。
中綿は大きく分類すると、ダウンと化繊(化学繊維)があります。
細かく分ければダウンにも化繊にもいくつかの種類があり、その種類の数だけ特徴や性能があります。
そのためダウンと化繊という2分類ではなかなか特徴を切り分けることが出来ませんが、一般的に、総合的には、収納力や保温力、身体への負荷においてはダウンの方が優れていると言われます。
もちろん化繊が優れる点はいくつもあり、更には臭いに敏感な方や化繊の重さが心地よいと感じるキャンパーもいるため、使い方やシチュエーション、好みにより優劣の評価は変化します。
しかしこれらを鑑みても、保温性が求められる冬キャンプにおいては、化繊よりもダウンがおすすめです。
春夏秋の3シーズンやULなどのエクストリーム的な用途に範囲を広げるとシュラフの選択肢は増えていきますが、冬のキャンプシーンを想定した場合にはマミー型のダウンシュラフが最適でしょう。
NANGA/ナンガとは
高品質な羽毛と高い縫製技術を強みに、精度の高い、高品質なシュラフを造り続けています。
NANGAは国内洗浄した羽毛のみを使用することに拘り、安全性と高品質を保証しています。
それは一時の保証に限らず、NANGAのシュラフを手にした時点で永久保証が始まります。
長年培ったノウハウによる羽毛の管理と縫製技術、そしてシュラフへの拘りが、誰もが納得する品質を生み出しています。
「NANGAであれば間違いない。」多くのベテランキャンパーが口を揃えるこの言葉が、NANGAの信頼の深さを表しています。
NANGAのシュラフ
NANGAは高品質なダウンシュラフとして有名なメーカーですが、ダウンシュラフだけでなく化繊シュラフもラインナップとして揃えています。
化繊の良さについてはあまり触れてきませんでしたが、特徴は洗濯のし易さとダウン特有の臭いが無いという点でしょう。
化繊は衣服でも使われる材料のものが多いため、洗濯や乾燥は特別ではありません。
そのため汗をかくような暖かい季節のキャンプでは化繊のメリットが活きてきます。
ダウンも洗濯は可能ですが、そのし易さは化繊に軍配が上がります。
また、羽毛が素材であるダウンでは独特な獣臭を感じるものもありますが、化繊ではそれはありません。
ダウンの臭いの原因は羽毛の洗浄品質と言われていますが、この点においてNANGAは安心出来るメーカーです。
ダウンと共に化繊のラインナップも揃えるNANGAですが、今回は冬キャンプ用途に適したダウンシュラフに絞って紹介します。
NANGAのダウンシュルラフの中で、一般使用モデルとしては次の3つのシリーズがあります。
- AURORA/オーロラ シリーズ
- UDD/ユーディーディー シリーズ
- ECO/エコ シリーズ
まずECOシリーズはその名の通りエコなシュラフです。
リサイクルダウン、リサイクルファブリックを使用したモデルで環境にやさしいシュラフです。
現在は3シーズン向けの「ECO BAG 350」のみのラインナップのため、冬キャンプ用には残念ながら使用は困難です。
次にオーロラとUDDですが、この2つのシリーズを紹介する前にダウンの弱点に触れておきましょう。
ダウンの弱点と結露
ダウンの最大の弱点は水濡れです。
ダウンの高い保温性能は、ふっくらと膨らんだダウンがデッドエアーをたくさん蓄えることで、蓄熱と断熱効果が生まれることで発揮されます。
しかし一度ダウンが水に濡れると瞬く間に委縮し、保温性能を失います。
更に濡れたダウンが体温をどんどん奪い始めるため、ダウンシュラフではダウンを濡らさない事が最も重要です。
然しながら、特に冬キャンプにおいて、それは困難です。
ダウン、つまりシュラフが濡れる原因には、飲み物などを溢す、雨が吹き込む、結露するなどの自責によるものと自然の摂理によるものがあります。
特に悪天候時の雨の吹き込みや、冬場の結露の発生は、完全に防ぐことが出来ない事象のため、冬キャンプではシュラフは濡れると考えておいた方がよく、そのための対策を事前に検討しておくことが大切です。
UDDとオーロラテックス
NANGAが誇る技術には、高品質な羽毛の精製と縫製技術、そして「濡れ対策」技術があります。
UDDとオーロラテックスはこの濡れ対策を代表する技術で、この対策がシュラフの使い易さや信頼性を格段に上げています。
UDDは羽毛自体に撥水加工を施した、高品質、高機能のダウンです。
保温性能の高い770FPのスペイン産ホワイトダックダウン(DX)に撥水性能を備える事で、ダウンに水分が伝わっても委縮することなく保温性能を保ちます。
オーロラテックスはNANGAが独自開発した防水透湿素材です。
生地が防水性能を備える事で結露や雨粒などの水滴からシュラフが濡れることを防ぎ、ダウンまで水分を伝えません。
更に透湿性能を備えるオーロラテックスは、就寝中に発散される湿度を排気し、シュラフ内が蒸れることを防ぎ快適に保ちます。
UDDシリーズにはUDDダウンが充填され、AURORAシリーズにはオーロラテックスを使用しています。
いずれも水濡れに対する優れた効果を持ちます。
また、最高スペックであるLEVEL8は、オーロラテックスとUDDの両方を採用したモデルとなっています。(一部除く)
NANGAのシュラフの種類と型番
NANGAの技術を垣間見たところで、一般用途のラインナップと型番構成を確認しておきましょう。
上位モデルからLEVEL8、AURORAシリーズ、UDDシリーズと続きますが、一般的なキャンプから低山テント泊で用いられるシュラフはAURORAシリーズとUDDシリーズです。
(画像出典:Amazon)
AURORAシリーズはオーロラテックスを採用したモデルで、型番のはじめにAURORAが付きます。
AURORAの後に続く型番はシュラフのシェイプで、例えばAURORA LIGHTはオーロラシリーズのLIGHTシェイプ、つまり軽量マミー型であることを表します。
LIGHTシェイプ以外ではSQUARE FOOTとRECTANGULARを揃えます。
- LIGHT/ライト:軽量マミー型
- SQUARE FOOT/スクウェアフット:足元が四角型のマミー型
- RECTANGULAR/レクタンギュラー:封筒型
そしてシェイプの後に続く数字はダウンの量、その後の型番はダウンの種類を表します。
例えばAURORA LIGHT 450DXは、DXダウンが450g入ったシュラフであることを表します。
- DX:スパニッシュダックダウン:760FP
- SPDX:最高級ポーリッシュグースダウン:860FP
- UDD:撥水加工が施されたDXダウン:770FP
UDDシリーズは、撥水性のあるUDDダウンを使用したマミー型シュラフのみのラインナップとなるため「UDD BAG ダウン量DX」といった型番構成となります。
今回はその他のシリーズについては省略しますが、ULやエクストリーム、山小屋泊向けや化繊などNANGAには多くの種類のシュラフが揃っていますので、興味のある方はNANGAのwebサイトを覗いてみてください。
冬キャンプにおすすめ『オーロラライト600DX』
数あるNANGAのシュラフの中で機能や結露対策、そして暖かさと収納力といった、冬キャンプに必要な要件を確実に網羅したシュラフがオーロラライト600DXです。
もちろん600gというダウン量は、気温やキャンプスタイル、そして個人の体質から調整は必要ですが、オーロラライト600DXを基軸とした選択が良いでしょう。
AURORA LIGHT 600DXとは
AURORA LIGHT 600DXは、防水透湿素材であるオーロラテックスを纏うAURORAシリーズの中で、コンパクトな収納力を備えた軽量マミーモデルです。
中綿には760FPのスパニッシュダックダウンが600g充填されています。
このモデルは、保温性能と共に、荷物の多くなる冬キャンプにおいてコンパクトな収納性を発揮します。
それは単体の収納性だけでなく、オーロラテックの優れた防水性能により防水シュラフカバーが無くても冬季キャンプに対応出来るため、総合的な荷物量の削減へと繋がります。
AURORA LIGHT 600DXの収納スペック
収納サイズ:φ17×31cm
総重量:1,100g
AURORA LIGHTの特徴
AURORA LIGHTの保温性能は高品質なダウンによるものだけではありません。
密着度の高いマミー型でも冷気は隙間を縫って入り込もうとします。
この冷気の侵入を防ぐ構造こそが確固たる保温性能を作り出しています。
表地と裏地の間にメッシュの壁をつくるボックスキルト構造を採用し、コールドスポットとなるダウンの偏りを防ぎます。
ショルダーウォーマー
肩部分にダウンの入ったチューブを設けることで、肩とシュラフの間に出来る隙間を塞ぎ、冷気の侵入を防ぎます。
ドラフトチューブ
ファスナー部をダウンの入ったチューブでカバーすることで、ファスナーの隙間から入り込む冷気を防ぎます。
顔回りの隙間の生成を防ぐドローコードを設け、顔周りの保温と冷気の侵入を防ぎます。
ファブリック
表地は防水透湿素材オーロラテックスによる防水且つ透湿性を備え、肌に触れる裏地には柔らかく滑らかな肌触りの15Dリップストップナイロンを採用し、防水素材によるストレスを感じることなく気持ちよく休息できます。
チタンスパッタリング
ナノレベルのチタンでシュラフをコーティングし、体温を外へ逃がさず輻射熱効果で温めます。
AURORA LIGHTはNANGAの高い品質と良質な羽毛、そしてキャンパーを確実に保温する技術力が集結しています。
構造的な保温技術と濡れから守る素材レベルの技術が結集したAURORA LIGHTは、悪天候や結露の発生する冬でも確実に安らぐためには不可欠なアイテムでしょう。
NANGA / ナンガ
オーロラライト
AURORA LIGHT
350DX | 450DX | 600DX | 750DX | 900DX | |
快適使用温度/下限温度 | 5℃ / 0℃ | 0℃ / -5℃ | -4℃ / -11℃ | -8℃ / -16℃ | -10℃ / -19℃ |
収納サイズ | φ13×25cm | φ14×30cm | φ17×31cm | φ19×31cm | φ21×41cm |
重量 | 約730g | 約865g | 約1,100g | 約1,280g | 約1,400g |