家具メーカーが提案するアウトドアブランド「Hang Out/ハングアウト」。
スタイリッシュな外遊びファニチャーが高い人気を誇りますが、代表的なギアでもあるファイヤーサイドテーブルには改善すべき点がひとつあります。
今回は唯一ともいえるその弱点を、レザークラフトで解決してみましょう。
Hang Out/ファイヤーサイドテーブルの改善点
ファイヤーサイドテーブルは、テーブルトップをクロスフレームで支えるコンパクトなテーブルです。
スタイリッシュな外観と組立易さ、収納のし易さで、多くの人気を集めています。
しかし使用してみると不便な所がひとつあります。それはテーブルの移動のし難さです。
ファイヤーサイドテーブルの構造上、持ち運ぶ時にはテーブルトップとフレームを一緒に抱えて持ち上げなければならないことはユーザーの想定の範囲だと思いますが、残念ながらそれだけではフレームが外れて持ち上げることが出来ません。
そのためテーブルを移動する時にはフレームがクロスしている個所も支えながら持ち上げなければなりません。
しかしこの持ち上げ方だとテーブルを安定させた状態で持ち運ぶことが出来ないため、テーブルの上に荷物を置いている場合には移動はほぼ不可能です。
外観、使い易さなど優れた点の多いテーブルなので、是非改善してもっと愛着の沸くテーブルになってほしいものです。
ファイヤーサイドテーブルをストレスなく運ぶための方法
改善の手段はとても単純です。
クロスしている部分のフレーム同士を何かで繋ぐだけでフレームがずれることを防ぐことが出来ます。
この部分は力学的にもバランスが取れているため、フレーム上に重量物を乗せても簡単に外れることはありません。
今回はこのフレームを繋ぐためのベルトをレザークラフトで制作してみたいと思います。
模様付きベルトを作ってみよう
今回作るベルトはバネホックで取り外しが出来るシンプルな物です。
本サイトの第1弾、第2弾の内容を見て頂ければすぐにでも作成できるものですが、第3段という事で今まで紹介していなかった模様付けの工程にも挑戦したいと思います。
ベース革を作る
では最初にベルトのベースとなるパーツを作成します。
使用する材料は100mm×20mmの長方形の革2枚とバネホック2セットです。
今回はテーブルのフレームが黒色なので、片面が黒色のカラーレザーを使用しています。
革を100mm×20mmに切り出したら下処理を行います。
模様付け
下処理が出来たら銀面に模様付けを行います。
模様付けにはパターン用の刻印が必要になります。
今回はバスケットパターンの模様をつけていきます。
まずパターンの始点となる角に打刻します。
次に最初の刻印の足に次の刻印の足を重ねるように打刻します。
重ねた足を基軸に、直線を意識して交互に打刻していきます。
直線に打てるか心配な場合は、鉛筆などでガイドラインを引いておいても良いでしょう。
今回はカラーレザーのため銀面にパターンをそのまま刻印しましたが、ヌメ革に刻印する場合は、銀面を霧吹きで常に湿らせておく必要がありますので、注意してください。
バネホックの取り付け
最後にバネホックを取り付けます。
端から9mmのところにバネホックを取り付けます。(バネホック間長さ:82mm)
バネホックを取り付けたら完成です。
取り付け確認
完成したベルトを取り付けてみましょう。
ベルト内でのフレームの遊びが大きすぎないことを確認してください。
これでテーブルの移動も楽になりますね。
また今回2本ベルトを作成した理由は収納時にも使用するためです。
作成したベルトの長さはテーブルフレームとフレーム2本を重ねた際にも縛れる長さになっていますので、収納時にフレーム端に取り付けておくと持ち運びが楽になります。
テーブル使用時も収納時もベルトを常に使用することで、ベルトを紛失するリスクも減らせることでしょう。
使用した道具
最後に使用した道具のまとめです。
- 革包丁:革を切断する時に使う道具
- ガラス板:床面を磨く時に使う道具
- スリッカー:コバを磨く時に使う道具
- 金槌:穴を開ける時に使う道具
- 刻印(カービング):模様、パターンを付ける時に使う道具
- ハトメ抜き:リベット用の穴を開ける時に使う道具
- カシメ打ち棒・台:バネホックを打つ時に使う道具
第2段から今回新たに使用した道具はパターン付け用の刻印(カービング)です。
今回使用したバスケットパターンは基本のパターン模様ですので、下記で紹介しているような基本工具セットに含まれている場合がほとんどです。
基本工具セットをお持ちの方は確認してみください。
刻印のみを入手したい方や、その他のパターンを試したい方は「レザークラフト カービング 刻印」などで検索してみると良いでしょう。
レザークラフト工具セット
今回はレザークラフト第3段ということで「模様付きのベルト」を作ってみました。
ベルト自体はシンプルなものですが、パターンを刻印することで簡単にデザイン性を持たせることが出来ます。
是非挑戦してみてください。