ハイカーの負荷を軽減する方法のひとつにUL化があります。
UL化というと荷物を減らし軽くする事と想像は容易いですが、実際に実行するには経験や技術、何より自身の力量に合わせた決断など、決して簡単ではありません。
そもそもUL化が誰にでも優位に当て嵌まるかと言うとそうでもなく、この点の理解にもやはり経験や技術、見極める力が必要となるでしょう。
しかし多くのハイカーにとって荷物が軽くなる事はメリットであり、ULを突き詰めないとしてもギアの軽量化は少なからずの恩恵となります。
今回紹介するギアは40~50LクラスのULバックパック。
このサイズはライトハイカーにおいてはテント泊を伴う2DAYハイクに、ULハイカーにとっては3DAYを超える縦走に対応する容量です。
山行の重量負荷を大きく削減する事が出来るULバックパックの特徴と人気モデルを併せて紹介しましょう。
バックパックとは
そのため荷物の収納性と背負い心地は最優先の機能に位置され、これらの機能向上のために多くの工夫がなされています。
- フレーム:最適な負荷バランスをつくり、通気性を確保する
- ヒップベルト:荷物の揺れを防ぎ、バランスを保つ
- 気室分割:荷物の重量と使用頻度のバランスが調整できる
これらは一部の機能で、機能性の高いバックパックには荷物を収納し取り出しやすくするための機能や、背負った時の負荷のバランスを最適にするような機能など、様々な機能が備えられています。
最も特徴的な構造はフレームで、フレームが組み込まれたバックパックを「フレームザック」、フレームが無いバックパックを「フレームレスザック」と呼び、フレームの有無が特に機能性に影響があることを表します。
しかし、使い心地や背負い心地を向上するために機能を追加すれば、多くの場合、バックパック自体は重くなります。
それでもこれらの技術が搭載されている理由は、トータル的にハイカーの負荷軽減に繋がると判断されているためです。
例え重量が増したとしてもそれよりも効果的な機能と見極められた。
フレームザックをはじめ機能性の高いバックパックは今尚進化を続けています。
ULバックパックとは
とは言え、バックパックが重い事はハイカーの負荷に直結します。
特に長時間の歩行や荷物の背負い直しなどでは顕著です。
機能と重量とは常に秤で見極められ、トータル的な負荷軽減の判断を受けることになります。
しかし、重量負荷が全てのハイカーに一律で評価されると考えるのは誤りで、体格、筋力、体力、姿勢など、そこには大きな個人差というものがあります。
もちろん個の求めるスタイルも大きく評価しなければいけません。
メーカーがトータル的に判断した結果だけでなく、自分自身が求めるバックパックを見極めることは重要です。
機能と重量を同じ土俵で評価せず、最低限必要な機能の見極めと軽量化を優先として開発されています。
高機能バックパックに比べて圧倒的な軽さが魅力のULバックパックですが、代わりに背負い心地や使い勝手の面で不足のあることも理解が必要です。
フレームザックが標準で備える形状保持機能や通気機能、負荷バランスの適正化機能など、これらのほとんどをULバックパックは有していません。
足りない機能は、ハイカー自身の技術や慣れでリカバーすることが求められます。
機能の代りに得られる圧倒的な軽さは特別です。
経験と技術を積んだULハイカーや、体力の少ないハイカーには大きな恩恵となるでしょう。
40LクラスBPの適応範囲
40~50L容量のバックパックは中型に分類される事の多いサイズです。
このサイズのバックパックが適応する山行パターンは、ハイカーのスタイルにより概ね次のパターンが適します。
- ハイカー:テント泊含む1泊2日の山行
- ULハイカー:縦走などの2泊以上の山行
ハイカーとULハイカーの違いは、ベースウェイトを意識しギアのUL化をしているかです。
ULの基準は様々提唱されていますが、概ねベースウェイトを5kg以内に抑え込めているならば2泊以上の山行にも対応できるサイズです。
ベースウェイトを気にしていない、またはベースウェイト6kg、7kgのハイカーには1泊の山行に適するサイズとなります。
ULバックパックは軽量化の副作用としてバックパックが支えられる重量にも制限があるため、容積だけでなく積載重量にも注意が必要です。
厳選 中型40LクラスのULバックパック
それでは40~50L容量の中型ULバックパックの紹介です。
ULハイカーにとっては縦走にも用いられるサイズのため、軽さと共に強度、防水性にも考慮されたモデルをピックアップしています。
木枝と擦れたり岩にぶつけても簡単には破れず、雨に降られてもバックパック内の衣服を浸水させない、信頼できるバックパックを選びましょう。
山と道
スリー
THREE
サイズ | M | L |
容量 | 40L | 45L |
背面長 | 45-54cm | 54-57cm |
重量 | Mesh:約602g Standard:約620g Zip:約625g |
Mesh:約630g Standard:約645g Zip:約649g |
マテリアル | ボディ,ボトム:X-Pac VX21 フロントポケット:3D Mesh200D HT PC Coated Oxford Nylon |
RawLow Mountain Works / ロウロウマウンテンワークス
ラスカル
Rascal
サイズ | S/M | M/L |
容量 | 35-45L | 37-48L |
背面長 | 44cm | 48cm |
重量 | 約750g | 約750g |
マテリアル | メイン素材:210D ROBIC Ripstop Nylon ボトム:X-pac 21 ハーネス他:200D Spectra |
ZEROGRAM / ゼログラム
ロストクリークUL40
LOST CREEK UL 40
容量 | 45L |
背面長 | 47cm |
重量 | ボディのみ:約600g トータル:約1,080g |
マテリアル | X-pac LS, Recycle Nylon |
FREELIGHT / フリーライト
S35BK
容量 | 35-45L |
背面長 | 不明 |
重量 | 約410g |
マテリアル | 1.5ozスピンネーカークロス ダイアモンドリップストップナイロン, 420ナイロン |
HYPERLITE MOUNTAIN GEAR / ハイパーライトマウンテンギア
ウィンドライダー40
Windrider 40
サイズ | S | M | L | T |
容量 | 40L | |||
背面長 | 38-43cm | 43-48cm | 48-53cm | 53cm以上 |
重量 | White/約848g Black/約919g ※Mサイズの平均値 |
|||
マテリアル | White/ボディ:DCH50、ボトム:DCH150 Black/ボディ,ボトム:DCH150 |
mont-bell / モンベル
バランスライト 40
容量 | 40L |
背面長 | 51cm |
重量 | 約653g |
マテリアル | 本体:100Dバリスティック®ナイロン・トリプルリップストップ 裏地:70Dナイロン・リップストップ |
Mountain Laurel Designs / マウンテンローレルデザイン
プロフェット48L
PROPHET 48L
サイズ | S | M | L |
容量 | 48L | ||
背面長 | 46cm | 51cm | 55cm |
重量 | 約495g | ||
マテリアル | Black,Red,Avocado/UltraGrid 200d RipStop Gray/2023 Ultra X 200/100 |
CAYL / ケイル
テベク2
TAE BAEK 2 B-Grid
サイズ | SM | ML |
容量 | 45L | 48L |
背面長 | 41-47cm | 47-53cm |
重量 | ボディのみ:約734g トータル:約869g |
ボディのみ:約806g トータル:約946g |
マテリアル | ボディ:B-GRID 210D Black(400D UPMWPE) ボトム:B-GRID 210D Black(400D UPMWPE) 背面,ショルダーハーネス:B-GRID 210D Black(400D UPMWPE)/3D Mesh(with Thin Foam) |
中型サイズといわれる40~50Lクラスのバックパックは、テント泊を伴う旅に十分な容量を備えています。
ULハイカーには2泊以上の旅にも適応し、これからULを検討するハイカーには1泊山行から次のステージへと繋げられるザックです。
軽さと容量を手に入れて、より遠方への旅を実現しましょう。