極限の軽さを!キルト型シュラフの使い方とおすすめ7選

Outdoor Gears

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登山装備の中で重要な役割を担うシュラフ。
睡眠時はもちろん、防寒具としても欠かせないギアですが、装備の軽量化を考えるとシュラフの重量や収納サイズはなかなか無視できないのも事実です。

今回は、シュラフの機能を極限まで削ぎ落したウルトラライトなシュラフを紹介しましょう。

ULシュラフ

シュラフは登山装備において最も重量とスペースを取るギアのひとつです。
特に気温の低いシーズンにはダウンの量も増え、圧縮出来るとしても重量は変わらず嵩みます。
しかしULを追うにあたりシュラフの重量、収納サイズはなかなか無視できないのも事実です。

そこで登場するのがフードレスシュラフとキルト型シュラフというULシュラフです。

いずれもマミー型シュラフが担っていた保温対象を、ULな思想を基に除外することで軽量化を実現したシュラフです。
フォルムや機能、使い方をそれぞれ見ていきましょう。

フードレスシュラフとは

(画像出典:Amazon)

名前の通り、フードのないシュラフです。
肩口から足元までをカバーする構造で、寒い時期や頭部をカバーしたい場合にはダウンジャケットなどを併用して保温します。
肩口はドローコードで絞ることが出来るため、単体使用でも冷気の侵入を防ぐことが可能です。
マミー型シュラフに比べ、フードやジッパーが削減された分軽量化されています。

キルト型シュラフとは

(画像出典:Amazon)

イメージ図は、背面側からキルト型シュラフを使用した状態を描いたものです。
マットをシュラフが抱えるように装着して使用します。

一般的なシュラフはダウンをバッフル内で膨張させデッドエアーを作ることで保温性を高めますが、背面は体重により潰されるためシュラフ自体の保温効果は大幅に低減します。
キルト型シュラフは保温効果の低い背面を大胆に切り取り、背面の保温はマットの保温性能に任せる形を取っています。

背面が開いていることで暖かい時期には掛け布団の様に展開して使用することも出来ますが、気温の低い時期にはマットとシュラフの間からコールドエアーが侵入してきます。
そのためキルト型シュラフでは、コネクティングコードを使用してマットをシュラフが抱えるように装着して使用します。

この様にキルト型シュラフは就寝時にマットと連結して使用する方法の他、暖かい時期には掛け布団の様に展開して使用したり、食事などの休憩の時間には羽織ることで防寒具のように使用するなどの様々な使い方が出来る応用性の高いギアです。

更に幅方向の柔軟性が高いことで他のシュラフと重ねて使用することもでき、例えば3シーズンシュラフにキルト型シュラフを重ねることで4シーズンに対応するような使い方も出来ます。

気候に合わせて組み合わせを上手く選択することで、キルト型シュラフは登山装備の重量削減に大きく寄与することが出来ます。

厳選 ウルトラライトなULシュラフの紹介

それではウルトラライトなシュラフの紹介です。
ニッチな分野のため元々種類の少なさはありますが、特徴的なものをピックアップしていますので参考にしてみてください。

NANGA / ナンガ


ミニマリスム ハーフ

MINIMARHYTHM HALF

(画像出典:Amazon)

シンプルなフードレスULシュラフ。
7Dの極薄リップストップナイロンファブリックに130gのUDDを充填した、超軽量サマーシーズンモデルです。
バッフルは軽量化に特化したシングルキルト構造です。
ジャケットと組み合わせることで3シーズンまで活用できるシュラフです。

35,200

中綿の種類 UDD DX:スペイン産ホワイトダックダウン超撥水加工(770FP)
ダウン重量 約130g
重量 約265g

※FP(フィルパワー):羽毛の膨らみ量を示す指標です。羽毛の重量が同じ場合、数値の高い方が保温力が高くなります。

THERM-A-REST / サーマレスト


コーラス

Corus

(画像出典:Amazon)

背面バッフルを大きくくり抜いたキルト型シュラフ。
スプリングタイプのコネクティングコードでマットを固定することが出来ます。
足元にはフットボックスを備え、足先を冷えから守ります。
座った状態で羽織った時にずれ落ちないよう、首後ろをスナップボタンで固定することが出来ます。
単体では3シーズンまで対応でき、レイヤリングにより冬季ブースターとしても活用可能なシュラフです。

49,500~

0℃ -6℃
サイズ L183cm
中綿の種類 ダック Nikwax Hydrophobic Down(650FP)
下限温度 0℃ -6℃
ダウン重量 約339g 約525g
重量 約561g 約734g

THERM-A-REST / サーマレスト


ヴェスパー キルト

Vesper Quilt

(画像出典:Amazon)

900FPの超高品質ダウンを採用したキルト型シュラフ。
2種類のバッフル構造を組み合わることで保温性と軽量化を実現し、超軽量ながら冬季対応モデルまでラインナップします。
フォルム構造はコーラスと同様で、大きく開いた背面とフットボックスの組み合わせが特徴です。
もちろんずれ落ちを防ぐ首後ろのスナップボタンも備えられています。
軽量コンパクトに加え、高い保温性能を備えたハイパフォーマンスシュラフです。

66,000~

45F/7C 32F/0C 20F/-6C
サイズ Regular:L191×147cm
Long:L201×155cm
中綿の種類 Goose Nikwax Hydrophobic Down(900FP)
下限温度 7℃ 0℃ -6℃
ダウン重量 Regular:約180g
Long:約210g
Regular:約240g
Long:約270g
Regular:約360g
Long:約390g
重量 Regular:約340g
Long:約390g
Regular:約440g
Long:約490g
Regular:約550g
Long:約610g

SEA TO SUMMIT / シートゥーサミット


シンダー ダウンキルト

Cinder Down Quilt

(画像出典:Amazon)

暖かい季節向けの軽量ダウンキルト。
寒冷期にはメインシュラフと組み合わせることでブースターとしても活用できます。
20Dナイロン防水/透湿ナノシェルファブリックを採用した、耐久性の高いモデルです。
キルト同士の連結が可能です。

28,600~

CdⅠ CdⅡ
中綿の種類 ウルトラドライダウン (750FP)
下限温度 4℃ -4℃
ダウン重量 レギュラー:約240g
ロング:約300g
レギュラー:約420g
ロング:約500g
重量 レギュラー:約480g
ロング:約620g
レギュラー:約660g
ロング:約790g

SEA TO SUMMIT / シートゥーサミット


エンバー ウルトラライトダウンキルト

Ember Ultralight Down Quilt

(画像出典:Amazon)

マットを内側に巻き込みヒートロスを防ぐキルト型ダウンシュラフ。
850FPの高品質ダウンと7D/10Dの極薄ファブリックで超軽量を実現。
EbⅠは軽量化を突き詰めた縫いつぶしキルト構造を、EbⅡⅢは保温性の高いボックスバッフル構造を採用しています。
2枚を連結してダブルサイズのキルトとして使用することも可能です。

43,560~

EbⅠ EbⅡ EbⅢ
中綿の種類 ウルトラドライプレミアムグースダウン (850FP)
下限温度 4℃ -4℃ -10℃
ダウン重量 約200g 約350g 約500g
重量 約420g 約600g 約725g

CUMULUS / キュムラス


キルト

QUILT

(画像出典:Amazon)

高品質ダウンを充填したフルフラットに展開可能なキルト型シュラフ。
背面にジッパーを備え、閉じることでフードレスシュラフとしても活用可能な2way仕様です。
足元にはインシュレーティングチューブを備え、ドローコードを絞ることでフットボックスを構築することが出来ます。
もちろん開放して通気を取ることも可能。
フルクローズの状態で十分な空間が確保されるサイズのため、半開や全開ではかなり広い空間が得られる圧迫感の少ないシュラフです。

64,980~

150 250 350 450
サイズ L195×85/50cm L195×65/50cm
中綿の種類 ポーランド産グースダウン(850FP)
下限温度 4℃ 0℃ -4℃ -7℃
ダウン重量 約150g 約250g 約350g 約450g
重量 約380g 約490g 約600g 約710g

ENLIGHTENED EQUIPMENT / エンライト イクイップメント


レボリューション スリーピングキルト

Revelation Sleeping Quilt 850FP

(画像出典:Amazon)

オープンフットボックス型のフルフラットに対応したキルト型シュラフ。
ジッパーによるフットボックスの生成と、2本のゴムバンドによる密着性が冷気の回り込みを防ぎます。
独自のU字型キルティング構造によりダウンが平面的に配置されるため、重力によるダウンの落ち込みが少なくコールドスポットが生まれません。
密閉と通気を自由に切り替えられるため、幅広い気候帯で使用出来るシュラフです。

59,400~

40°F 30°F 20°F
サイズ L192×137cm
中綿の種類 ダックダウン(850FP)
下限温度 5℃ -1℃ -6℃
ダウン重量 約275g 約365g 約456g
重量 約448g 約545g 約639g

ULシュラフは一気に軽量化をすすめられる大胆な手法ですが、そこには寒さへのリスクが伴います。
自身の能力や山行工程をよく検討し、無理のない判断と選択を心掛けてください。

また、超軽量であると共に応用力の高さが魅力のキルト型シュラフですが、モデルにより形状や機能が様々なので、どれも同じではなくひとつひとつ特徴を確認することも大切です。

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