MSRウィスパーライトの特徴と使い方

Outdoor Gears

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燃焼系ギアのメーカーとして高い信頼を得ているMSR。
中でもウィスパーライトは、頑丈で壊れ難く高い火力を特徴とする人気のバーナーです。
更に携行性と安定性にも優れ、高山や寒冷地へ赴くハイカーにも高い需要があります。

そんなウィスパーライトですが、使用するにはガソリンバーナーの特徴や使い方の理解が不可欠です。

この記事ではホワイトガソリンのみでの点火方法から片付けまで、ウィスパーライトの使い方を詳しく紹介します。

【MSR】ウィスパーライトとは

ウィスパーライトはMSRの液体燃料ストーブのひとつです。

(画像出典:Amazon)

MSRの液体燃料ストーブには、ホワイトガソリン専用のウィスパーライト、ホワイトガソリンの他、無鉛ガソリンや灯油も使用出来るウィスパーライト・インターナショナル、火力調整機能をもつドラゴンフライ、より過酷な環境での使用に耐えるXGKがラインナップしています。

ウィスパーライトはホワイトガソリン専用のスタンダードなストーブで、シンプル且つ丈夫な構造のため壊れ難く、メンテナンスが容易であるという特徴があります。
また高い火力と静かな燃焼音で、早朝でも気兼ねなく使用することが可能です。
ハイクや過酷なシーンでも愛用されるのは、これらの特徴を備えているからでしょう。

MSR / エムエスアール


ウィスパーライト

WhisperLite

(画像出典:Amazon)

14,850

火力 2,772kcal/h
サイズ Φ170×H90mm
ゴトクサイズ Φ170mm
収納サイズ W160×D90×H90mm
重量 約334g(本体、ポンプ)
使用可能燃料 ホワイトガソリン

ウィスパーライトの使い方と注意点

それではウィスパーライトの使い方と注意点を紹介しましょう。

使用するものはウィスパーライト(ストーブ本体とポンプ)と燃料ボトル、あとは燃料となるホワイトガソリンと点火用の火種(マッチなど)になります。

準備

まず燃料ボトルの準備をします。

【注意】
燃料ボトルを開閉する際は、内圧等で内部の燃料が飛散することがあるため、必ず胸より下の位置で作業しましょう。

1.燃料ボトルのキャンプを開け、燃料を入れます

燃料ボトルのキャップにはチャイルドロック機能が付いています。
キャップを外すにはキャップをボトル側に押し込んだまま反時計方向に捻ります。

キャップを取り外したら燃料となるホワイトガソリンを入れます。

ウィスパーライトはボトル内を空気で加圧して燃料を送り出す構造です。
図の満タンライン以上燃料を入れると加圧できなくなるため注意してください。

2.燃料ボトルにポンプを装着します

まず燃料ボトルにフィルターを差し込み、つづいてポンプ本体を差し込みます。

ポンプ本体を差し込む際はチューブを湾曲させる必要があります。
チューブが折れないよう注意してください。

ポンプ本体を挿入したらポンプシールを締め固定します。
ポンプシールがしっかり閉まっていないと次工程のポンピング時に燃料が吹き出すため、確実に締めてください。

3.ポンピング

コントロールバルブが閉まっていることを確認してからポンピングを行います。

ポンピングとは、プランジャーを押し引きし、燃料ボトル内を加圧する作業です。
この加圧力を利用して燃料はボトル側からストーブ側へと送られます。

ポンピングはプランジャーが固くて押し込めなくなるまで繰り返し行います。
目安は満タン時で20~30回です。

【注意】
プランジャーの初動が固い場合には、プランジャー摺動部にメンテナンスオイルを塗布すると改善されることがあります。
それでも改善しない場合や、反対にプランジャー部から空気が抜けるような場合にはポンプカップが破損している可能性があるため、使用を止め、ポンプカップのメンテナンスをしてください。

4.ストーブのセッティング

燃料パイプが収納されている場合は先端を五徳レッグから外し、湾曲癖を取ります。

つづいて五徳レッグをフレームリフレクターの窪みにセットします。
凸部を通す時は五徳レッグを握り変形させると簡単に行えます。

5.連結

ポンプ(燃料ボトル)とストーブを連結します。

ポンプ、燃料パイプ、キャッチアームの向きに注意し、燃料パイプ先端をポンプへ差し込みます。

【注意】
パイプの差し込みが固い場合には、パイプ先端の真鍮の部分にメンテナンスオイルを塗布すると改善されます。

次にキャッチアームを旋回させ、ポンプの溝に引っ掛けます。

最後に3つの五徳レッグが設置するよう燃料パイプの形状を整え、セッティング完了です。

点火

それでは点火作業に入ります。

まず、ジェネレーター部のプレヒートからです。

1.プレヒート

プレヒートとは、燃料ボトルから送り出される液体燃料を、ジェネレータ部で気化させるための熱量を準備する作業です。
点火後はバーナーの火でジェネレーターを熱し続けますが、最初の点火時に必要な熱量はプレヒートで与える必要があります。

コントロールバルブをゆっくり開き、フライミングカップに燃料を溜めます。

コントロールバルブを開くとノズルから液体の燃料が吐出され、フライミングカップに滴ります。
フライミングカップに1/2程度溜まったらコントロールバルブを閉じます。
コントロールバルブの閉操作と燃料吐出の停止にはタイムラグがあるため注意しましょう。

【注意】
燃料がフライミングカップから溢れると、着火後引火する可能性があり大変危険です。
燃料の入れ過ぎには注意し、もし溢れた場合は燃料を減らし、こぼれた燃料もきれいに拭き取りましょう。

フライミングカップに適量の燃料を溜めたら、素早く着火します。

【注意】
プレヒート中は条件により大きな炎が立ち上がります。
更に風があると広範囲に炎が煽られるため、可燃物や燃料ボトルはストーブから遠ざけておきましょう。

プレヒート開始から1分程度で「ジジジ」という燃料が気化する音が聞こえてきます。

ジジジという音が聞こえなくなったらプレヒートが完了です。

【注意】
フライミングカップ内の燃料が少なかったり気温が極端に低い場合には、プレヒートが完了せず炎が弱くなることがあります。
その場合はストーブが冷えるのを待ち、再度プレヒートからやり直してください。

2.点火

バーナーへの点火はプレヒートの炎を利用して行います。
そのため、プレヒートが完了し点火する時点で炎が鎮火、又は消えかかっているとバーナーに点火することが出来ません。
プレヒートが完了していることと、更にプレヒートの炎がフレームリフレクターより立ち上がっていることを確認して点火作業に移ってください。

コントロールバルブをゆっくり開き、バーナーへ点火します。

【注意】
プレヒートが十分でない状態でコントロールバルブを開くと、燃料が液体のまま噴出し大変危険です。
また、プレヒートが完了していても炎が小さい状態でコントロールバルブを開くと、ガス化した燃料に着火せず周囲に吹き出すため危険です。
プレヒートが完了していることと炎が十分立ち上がっていることを確認してコントロールバルブを開いてください。

上手く着火出来たら、コントロールバルブを1/2程度開いた状態のまま炎が安定するのを待ちます。

安定した青色の火になれば点火完了です。
火力の調整はコントロールバルブで行ってください。

【注意】
ウィスパーライトは火力の微調整が得意ではありません。
およそ中火~強火が対応範囲なので、弱火やとろ火が必要な場合は調理機材を熱源から離して対応してください。

消火

消火方法はシンプルです。
コントロールバルブを閉じれば消火します。

消火後もしばらく燃焼を続け、数十秒後、自然に火が消えます。
火が消えた後も暫くは高温のため、片付けなどは完全に冷めてから行ってください。

片付け

ポンプ(燃料ボトル)からストーブを外します。

まずキャッチアームを外し、つづいて燃料パイプをポンプから引き抜きます。

【注意】
燃料パイプが抜ける際、先端から燃料が飛び散ることがあります。目や口に入らないよう、胸より下の位置で作業しましょう。

ストーブの片付け

燃料パイプ内には液体の燃料が残っているため、まず残燃料を抜きます。

ストーブを持ち上げ燃料パイプの先端を下げると自然に残燃料が出てきますので、ティッシュなどで受けます。

【注意】
残燃料は燃料ボトルに戻して再利用することも出来ます。
しかし残燃料には煤や異物が混入している可能性が高く、ポンプのフィルターの劣化を早めるため推奨されていません。
燃料を極限まで節約したいシーン以外では、再利用は避けることをおすすめします。

燃料が抜けたらプレヒートで付いた煤を拭き取ります。

フレームリフレクターの裏や五徳レッグなどにススが付着していますので、服などに付かないように注意して拭き取ってください。

煤汚れが拭き取れたら、五徳レッグと燃料パイプを収納します。

燃料ボトルの片付け

燃料ボトルからポンプを取り外します。

【注意】
胸より下の位置で作業しましょう。

燃料ボトルからポンプを外し、抜き取ります。

ポンプを引っ張るだけではフィルターが引っ掛かり抜けないため、チューブをチェックバルブ側(図の矢印方向)へ押しながら引き抜きます。

ポンプを取り外したら最後にキャップを取り付けます。

【注意】
ポンプを取り付けたままにする場合は、ポンプシールを一度緩め、内圧を抜いておきましょう。

動画で確認

一連の作業を動画で確認してみましょう。

ウィスパーライトを含むガソリンバーナーは使用方法を誤ると大変危険です。
使い方をしっかり習得し、確実に安全が確保できる状態で作業してください。

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