アウトドアにおける虫対策は時に命に係わるほど重要なウェイトを占めます。
キャンプや山登りで遭遇する、いわゆる害虫と言えば、蚊や蜂、マダニやヒルなどが代表的で、暖かい季節になるにつれ虫達も活動的になります。
彼らに刺された時に速やかに処置をすることでその後の不快感が少なくなり、更にはアナフィラキシーショックや感染症などからも身を守ることが出来ます。
今回は、アウトドアで必要となる応急処置グッズを紹介しましょう。
野山沢で見かける虫
キャンプやトレッキングの主なフィールドである野や山、川では、子供が追い掛けるような出会いたい虫もいますが、毒を持つなど人に害を与える虫や、害はないけど近付きたくない虫もいます。
特にアウトドアでのメジャーな害虫と言える、蚊、ブヨ、蜂、アブ、マダニ、毛虫、ムカデ、ヒルなどは皆さん見聞きしたことがあるかと思います。
蚊
プ~ンという羽音だけでストレスを刻み込む、何処にでもいる昆虫。
血を吸う際に抗凝血作用物質を流し込み、これによりアレルギー反応(痒みや腫れ)が引き起こされます。
感染症の媒体ともなるため、刺されないよう予防することが大切です。
ブユ(ブヨ、ブト)
イエバエの4分の1程の大きさの昆虫で、主に渓流沿いに生息します。
羽音を立てずに近付き、皮膚を嚙み切り吸血します。
噛まれた痕は赤い出血点や流血が見られ、数時間後に蚊の数倍の痒みと腫れ、場合によっては痛みや発熱などのアレルギー症状を引き起こします。
蜂
蜂は何処にでもいる昆虫で、種類により生息域や巣の位置、習性が異なります。
敵とみなされるとお尻の針(産卵管)で攻撃され、刺されると痛みや腫れの他、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。
防衛本能による反撃なので、巣の近くを通らないこと、蜂に対して刺激のある動きを取らない事が大切です。
アブ
ハエと蜂の間のような見た目の昆虫で、主に渓流域に生息します。
人を見つけると周回しながら飛来し、そっと止まり、皮膚を噛み切り吸血します。
噛まれると激しい痛みですぐ気付きます。
止まってから噛みつくまでに一呼吸あるため、この間に払い除けることも可能です。
マダニ
山や河川敷、草むらなどに広く生息する節足動物。
大型のダニで、成虫になると3~10mm程の大きさになり目で確認することが出来ます。
二酸化炭素や体温、振動に敏感に反応し、通り過ぎる際に人に飛び移り吸血します。
口を皮膚にねじ込み吸血しますが痛みなどを感じない事が多いため、吸血に気づかないケースがほとんどです。
致死率の高い病原体を媒介するため、無理に引き抜くのは厳禁です。
毛虫
蝶や蛾の幼虫で、木や草の生えているところ全般に生息します。
毛のない芋虫や無毒の毛虫もいますが、毒針を持つ毛虫は触れると鋭い痛みが走り、患部が腫れます。
特に忍び寄るつもりのない彼らですが、音もなく木の葉から落ちてくることもあるため、春先に木の下でテントを張る際や山間を散策する際は特に注意しましょう。
ムカデ
木の葉が堆積する山間部が主な生息場所ですが、山間部以外でも餌となる小さな昆虫がいる場所にも生息しています。
動きはそれ程早くはありませんが、攻撃性が強いため触れるとすぐに噛みつきます。
噛みつかれた箇所は毒による炎症を発し、ズキズキとした痛みが数時間続きます。
夜行性のため、夜の間に道具の隙間などに潜むことがあります。
ヒル
沢の付近や落ち葉などが堆積したジメジメとした山間部が生息域です。
山間部で遭遇する吸血ヒルは概ねヤマビルと呼ばれる種類で、体温や二酸化炭素に反応して忍び寄ります。
抗凝血作用物質を分泌しながら皮膚を噛み切り吸血するため、噛まれていることに気付かず、傷口から流血し続けます。
流血により死に至ることはありませんが、傷口の消毒を怠ると細菌による感染症の恐れがあります。
予防方法:虫除け対策
ソックスや長袖・長ズボン、帽子などを着用することで、虫が直接肌にアクセスできないようにすることは、最も効果のある対策です
また、衣服は出来るだけ黒色を避けると良いとも言われています。
- 肌を露出させない
- 衣服は黒色を避ける
特に警戒が薄くなる足元は狙われやすいため、散策する時に長ズボンを履くことは効果的です。
山登りやトレッキングではベーシックな服装ですが、キャンプではリラックスした軽装もメジャーです。
服装による予防の他、極力虫を寄せ付けないような虫除け対策を併用することも重要です。
虫除け対策は特定の虫に限定されるものも多いため、場所や季節に適した対策をとると共に、複数の対策を重ねることで多種の虫に対応することも大切です。
刺された時の応急処置
虫除け対策を駆使したとしても刺されることはあります。
刺された際は何に刺されたかを見極めると同時に、的確な毒抜きや解毒、消毒などの応急処置をすることで悪化を防ぎ、感染症や細菌感染などの二次被害を防がなければなりません。
基本的な応急処置の流れは消毒、毒抜き、塗り薬ですが、蜂や毛虫に刺された場合は針の除去、マダニの場合は特別な除去が必要です。
虫対策、応急処置グッズはアウトドア以外でも活用できるアイテムです。
害虫リスクがどんどん高まってきていますので、出来るだけ揃えておくといざという時に安心ですね!