登山やロングトレイル、日帰りハイクなど、アウトドアで避けて通れないのが「雨対策」です。
レインカバーを使っているハイカーは多いですが、実はそれだけでは十分ではありません。
そこで注目したいのがパックライナーです。
今回はパックライナーとは何か、どのように使うのか、そして使用するメリットについて詳しく解説します。
パックライナーとは
パックライナーとは、バックパックの内側に入れて荷物を防水するためのインナーバッグのことです。
外側にかぶせるレインカバーとは異なり、荷物そのものを内部から守る防水システムです。
レインカバーでは不十分?
レインカバーはザックの大部分を雨から守ることが出来ますが、背面やショルダーハーネス部分から雨が侵入することがあります。
また、強風時や長時間の豪雨、川渡りや転倒で水没した場合には完全に防ぎきれないケースもあり、更に、結露や内部からの湿気に弱いという面もあります。
そこで活躍するのがパックライナーです。
パックライナーの使い方
使い方はとてもシンプルです。
1.バックパックの中にセットする
空のバックパックの内側に、パックライナーを広げて敷きます。
2.防水したい荷物を入れる
まずは濡れてはいけない物(寝袋、着替え、防寒着など)を入れます。
3.空気を抜いて口を閉じる
上部をねじって折り返す、またはロールトップ式で閉じます。
完全防水にするため、しっかり空気を抜いて密閉することがポイントです。
4.残りの装備を上に収納
濡れても問題のない物(レインウェアやクッカーなど)はライナーの外側に入れます。
パックライナーを使うメリット
1.高い防水性能
バックパックが完全に濡れても、中の荷物はドライなまま。
特に寝袋やダウン製品を守れるのは大きな安心材料です。
2.シンプルで軽量
レインカバーと比較しても軽量な製品が多く、UL(ウルトラライト)ハイカーにも人気があります。
3.パッキングが安定する
荷物をまとめて圧縮できるため、ザック内の安定感が増します。
結果的に歩行時のバランスも向上します。
4.川渡りや緊急時にも強い
万が一、バックパックが水に浸かっても中身は無事。
長期縦走や海外トレイルでは特に重要な装備です。
5.コストパフォーマンスが高い
専用のアウトドア製品だけでなく、厚手のポリ袋でも代用可能。
低コストで導入できます。
パックライナーとレインカバーの併用について
防水性能に着目すると理想は併用です。
- レインカバー:バックパック自体の浸水や重量増加を軽減
- パックライナー:荷物を完全防水
特に悪天候が予想される山行では、二重対策が安心です。
UL視点でのパックライナー
ULの思想には「必要な機能を、最小の重量で実現する」という考えがあります。
パックライナーの本質的役割を復習すると、次の3点が基本機能です。
- クリティカルギアの防水
- 内部圧縮による安定化
- 防水の“単一化”による軽量化
UL思想における重要な点は、「すべてを防水する必要はない」、つまりは「防水するものを限定し、防水システム自体の削減も行う」という考え方です。
防水性能を優先にシステム構成を考える場合、レインカバーとの併用が理想であることは間違いありませんが、ULにおいては包括的な性能ではなく限定的で効果的な性能に絞ることで重量増を抑制することが重要です。
パックライナー自体も重量をもつため、最小限のサイズに落とすことはULを極めるには考慮すべき点でしょう。(もちろんバックパック自体の水耐性は必須です。)
実践的な軽量化バランス
| 装備 | 重量 | 防水性 | UL適性 |
| レインカバー | 中 | △ | 低 |
| パックライナーのみ | 軽 | ◎ | 高 |
| 個別ドライバッグ複数 | 重 | ◎ | 低 |
失敗例と注意点
- 薄すぎる袋で破れる
- 尖ったギアで穴が空く
- 空気を抜かずに閉じる
- 濡れた物を内部に入れる
ULは軽量化と同時に「丁寧な扱い」が求められます。
まとめ
パックライナーは、
- 荷物を確実に守る
- 軽量でシンプル
- コストパフォーマンスが高い
という、ハイカーにとって非常に合理的な装備です。
「今までレインカバーだけだった」という方は、ぜひ一度パックライナーを試してみてください。
その安心感は、きっと次の山行から手放せないものになるはずです。
安全で快適なハイキングのために、ぜひ装備に加えてみてはいかがでしょうか。




